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3 10, 2020

地域の自助・共助の精神を進化させる
仙台Heart safe cityプロジェクト、始まる!

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仙台市では、未来の防災や安全を見据え、災害に強く、人々のつながりを深めるまちづくりが進んでいます。その一環として、地域の助け合いでみんなの命を守る「仙台Heart safe cityプロジェクト」が始まりました。

仙台海手発。誰もが安心・安全に暮らせるまちづくり

宮城県仙台市の東、“仙台海手”と呼ばれるエリアに荒井東地区(仙台市若林区)はあります。2011年の東日本大震災では、地震による津波は地区の海側を走る東部道路まで到達しました。かろうじて甚大な被害を免れた荒井東地区では、被災者の方々を積極的に受け入れて新たなまちづくりが進んでいます。

荒井東では、地域の人々がゆるやかにつながり、誰もが安心・安全に暮らせるコミュニティの実現を目指しています。ここに暮らす人たちの助け合いを実現する取り組みとして、荒井広瀬町内会集会所にて「仙台Heart safe city 第1回心肺蘇生セミナー」が開催されました。

心臓突然死は、いつ誰に起こるかが予測できません。しかも迅速な応急救護が不可欠で、心肺停止から1分経過するごとに救命率は約10%ずつ低下します。119番からの救急車の到着が平均8.7分*1であることを考えると、現場に居合わせた人たちが、いかに迅速に行動できるかが重要なのです。
 

この心肺蘇生セミナーでは、救急救命士の資格と実務経験を有するフィリップス社員も加わり、心肺蘇生に関するレクチャーとAEDの使い方を学ぶトレーニングが実施されました。「倒れた人を見かけたら、119番通報後にAEDを使ってください」「心肺蘇生は『AED+胸骨圧迫』がワンセットと覚えておきましょう」「胸骨圧迫は1分間100〜120回のペースで力強く。ドラえもんの主題歌と同じリズムです」などと初心者にもわかりやすい説明で、参加者は実際にAEDを使っての応急救護を体験しました。
 

参加された人からは「AED講習を10数年前に受けたきりで忘れていた部分もあり、いい復習になりました。体勢や力の入れ方が体で理解できたと感じています」(60代女性)、「中学生ぐらいから参加すれば、AEDや胸骨圧迫への心理的ハードルが下がるかもしれませんね」(50代男性)との感想が聞かれました。

: 仙台Heart safe city 第1回心肺蘇生セミナー

AEDを届ける「SOSボタン」でつなぐ命のリレー

今回のセミナーでは、救護体制を強化する最新のIoTテクノロジーも紹介されました。それは、AEDの適正利用を推進するツールとして注目を集める「SOSボタン」です。心肺停止の現場に居合わせたとき、すぐに取りに行ける場所にAEDがあるとはかぎりません。そこで街の様々な場所にSOSボタンを設置することで、周辺にいる人を呼んだり、AEDを持ってきてもらうことが可能になるのです。
 

SOSボタンは、例えば通りに面した場所や施設の共有スペースなどに設置することを想定しています。SOSボタンが押されると、その周辺にいる人のスマホに一斉に通知が届きます(スマートフォンアプリ「MySOS」をダウンロードし、SOS受信設定をした人が対象)。アプリの地図上には、SOSボタンが押された地点と、最寄りのAEDの地点が表示されます。通知を受け取った人はすぐさま近くのAEDを携えて現場に駆けつけ、より迅速な応急救護が可能になるのです。
 

セミナーに参加した方々は「SOSボタンは具合が悪いときなど、心肺停止以外の場面でも役に立ちますね」「町内にいくつかあれば、みんなが助け合うネットワークが強化できて心強い」などと話し合いがもたれ、【AED+SOSボタン】による地域の安心・安全づくりに関心が集まりました。

AEDの適正利用推進ツール「SOSボタン」

自助・共助の精神を進化させるHeart safe cityの挑戦

現在、心臓突然死は1日に平均200件以上*2発生しています。日本では、AED設置数は増加しているものの、一般市民によるAED使用率は4.9%*3と非常に低いのが現状です。そこでフィリップスでは、AEDのリーディングカンパニーとして、AEDを活用した応急救護ができる人を地域で育成すると同時に、IoTで人と人のネットワークを強化する「Heart safe city」を全国の自治体と協力して展開していきます。
 

ここ荒井東地区においては、東日本大震災後の新たなまちづくりを目指す仙台市都市計画マスタープランの一環として、一般社団法人荒井タウンマネジメントと協力しながら、地域の人が互いに助け合い、命を守るコミュニケティを形成する「仙台Heart safe cityプロジェクト」を2019年12月よりスタートしています。
 

荒井東地区を実証モデル地区として、今回の心肺蘇生セミナーを皮切りに、AEDやSOSボタンの屋外設置を進めて、地域住民によるファーストレスポンダー(救急隊に引き継ぐまで適切に応急手当ができる救護者)体制を構築し、自助・共助できる地域社会づくりを進めていこうとしています。
 

2011年の東日本大震災では、東北の人々の自助・共助精神が、世界中の驚きと尊敬を呼びました。地域に根づいた尊い精神を土台に、さらに人々が助け合い、命を守るコミュニティを強化するものとして「仙台Heart safe cityプロジェクト」は進められます。荒井東地区で実現する安心・安全のまちづくりは“Heart safe city 仙台モデル”として、これからの日本のまちづくりのあり方を示すものとなっていくはずです。(取材・文 / 麻生泰子)
 

出典

*1,2,3  総務省消防庁「救急救助の現況」令和元年版
 

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