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5 13, 2021

大阪学院大学でAED特別講習ゼミ開催。未来を担うファーストレスポンダーを育てよう

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日本のAED使用率はわずか5.1%。率先して人命を助ける “ファーストレスポンダー”を育てたい――大阪学院大学経営学部ホスピタリティ経営学科で、オンラインによるAED講習ゼミが開催されました。

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率先して命を助ける行動ができる人を育てたい

大阪学院大学(吹田市)の経営学部ホスピタリティ経営学科の2年生78名が合同ゼミの一環として「AED講習」を実施しました。一般的なAED講習会と異なるのは、救命救助の手法のみならず、“生命と行動の大切さ”を学ぶことを主眼としていることです。講義を企画・担当した同大学の稲田賢次先生は、この特別ゼミを開催した理由をこう語ります。

 

「日本はAEDが数多くありながら、AED使用率は5.1%*1と低いのが現状です。今の学生は、運転免許講習、小中学校の授業、地域の消防訓練などで一度はAED講習を受けた経験がある学生も少なくありません。ある程度の知識がある人が社会に一定数いながら『なぜ行動が起こせないことがあるのか』『ためらってしまう理由はなにか』と自分ごとに置き換えて、未来の行動変容へとつなげてほしいと考えたのです」

 

全国でも珍しい同大学のホスピタリティ経営学科では、観光産業や経営、マーケティングなどを専門的に学び、ホテルやテーマパーク、飲食業などホスピタリティ産業に関わる人材を数多く輩出しています。

 

「ホスピタリティとは、接客や接遇のおもてなしだけでなく、人と人のふれあい、人と社会の関わりなどを含めた幅広い意味があります。近年、ホスピタリティ産業においても、お客さまの安心・安全を考慮した取り組みが増えています。

 

たとえば、帝国ホテルではドアマン全員が救命技能認定証を有し、救命用マウスピースを携帯しているといいます。また、ホテルエドモンドメトロポリタンでは、全従業員が救命講習を年2回受けており、2019年には客室で心肺停止になられたお客さまを従業員がAEDなどの応急処置をして人命救助に貢献しています。

 

本学では、現場で学ぶことを重視していますが、緊急時に率先して命を助ける行動を起こせる“ファーストレスポンダー”となれる学生を育てたい。そのために救命救助の現状と課題をつぶさに知り、学生一人ひとりが自分で考えることから始めてもらおうと考えたのです」

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誰もがファーストレスポンダーになれる

ゼミはコロナ禍のためオンライン形式で、フィリップスが制作したAED救命シミュレーション動画を活用視聴し、AED普及・活動を推進するフィリップス社員による解説を聞いたのち、稲田先生による救命救助活動の現状と課題、実際の救命事例などが語られました(写真はプレゼミとして少人数で開催されたAED講習ゼミ)。

 

講義の中で、多くの学生の関心を引いたのが、スポーツ大会で倒れ、近くにあったAEDが使用されず、重い障害が残ってしまった女性の事例。AEDは電極パッドを右胸と左脇腹に直接貼り付ける必要があります。しかし、救護者は、倒れているのが女性であったため、服を脱がせることをためらってAEDを使用しなかったのです。

 

学生からは「倒れている人が自分の家族だったら、男女関係なく必ず助けるはずだ」「学校などでAEDの勉強をするときは、女性の場合どうすればいいのかきちんと話しておく必要がある」「目の前の人がどんな人でも助けようと思う気持ちが大切」などの意見が寄せられました。

 

学生一人ひとりが「もし、倒れたのが私だったら…」「自分の大切な家族だったら…」と、自分ごととして考え、本当に必要な行動を真剣に考える場になりました。

「人命救助では、相手が誰でもあっても、勇気を出して行動する意志が大切です。女性だから、見知らぬ人だから…と相手によって躊躇することなく、“目の前の人がどんな人でも助けよう”という意識をもつことが大切だと一人ひとりが感じてくれたのではないかと思います」

 

講義の中では、キャンパス内のAED設置場所マップも紹介されました。学生たちが日常を過ごす場所にも、誰かの命を助けられるAEDがいつもそばにある――。そのことをあらためて知る機会にもなりました。

 

「ゼミを受けた学生からは、講義後にたくさんのコメントと反響が寄せられました。今回はホスピタリティ経営学科の学びの一環としてゼミを開催しましたが、本学では、社会や地域に貢献できる人材を育てることを目指しています。来年度も継続してAED講習ゼミを実施し、ゆくゆくは学部学科を超えて、大学全体に救命救助について学べる機会を増やしていければと考えています」

ネットの見すぎが呼吸を浅くさせることも

日本中をHeart safe cityに変えていこう

今回、初めてゼミの一環としてAED講習が行われた背景には、大阪学院大学のある吹田市が、国立循環器病研究センター、市立吹田市民病院を中心とした「健都 Heart safe city」として、2019年7月から未来型健康都市づくりを進めています。

 

吹田市にあるJR岸辺駅北口には、国立循環器病研究センター、市立吹田市民病院が隣接し、南口には約5000人の学生が通う大阪学院大学のキャンパスがあります。心肺停止からの社会復帰率“世界一”の実現を目指す「健都Heart safe city」では、駅周辺エリアにAEDを適正配置し、さらに緊急時にボタンを押して救助を呼べる「SOSボタン」を設置し、網の目状の救命救助ネットワークをつくる計画があります。

 

地域と学生をつなぐ活動を推進し、今回のAED講習ゼミの実現に関わってきた古澤氏(大阪学院大学・社会連携室)はこう話します。

 

「吹田市では、国立循環器病研究センターが中心となって、誰もが安心して健康的に生活できるまちづくりをめざす、という世界でも稀に見る取り組みに挑戦しています。本学においても、AED講習によるファーストレスポンダーの育成等を通じ、健都のまちづくりに積極的に参加していきたいと考えています。今後も継続して、学生の共助の精神を育むことで率先して行動できる人を育てていきます」

 

救命救助の精神を学んだ大阪学院大学の学生たちは、ここ健都で大学生活を送り、地域の人たちが安心して暮らせるまちづくりに貢献していきます。やがて社会に羽ばたいたときも、自分の職場や住む街をHeart safe cityに変えていく心強い存在になってくれるでしょう。(取材・文/麻生泰子)

 

出典

*1 「令和2年版救急・救助の現況」(総務省消防庁)

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