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12 01, 2019

ストレスを成長の味方につけて楽しい人生を実現するヨガの思考

ページを読む時間の目安: 3-5 分

何かと悪者にされるストレスですが、コントロール次第で人生を豊かにする味方になります。カナダ・アルバータ大学医学部で学び、ATHA YOGAを主宰するマニーシュにストレスを味方につける思考を聞きました。

ストレスは、成長や楽しさを生み出す源泉

情報過多で変化もめまぐるしい現代、多くの人が何らかのストレスを抱えており、体調不良や心身の病気になる人も増えています。ストレスを上手に解消する方法はあるのでしょうか。
 

「ストレスという言葉は悪い意味で使われますが、ストレスとは“成長のエネルギー”を生むものです。例えば、ジムで重いバーベルを持ち上げることは、体にとってストレス。負荷がかかることで、筋肉細胞は破壊されてしまいます。しかし、その細胞を修復するたびに筋肉はたくましく成長します。骨も同様で、体重の圧がかかるからこそ骨密度が高まるのです」
 

ストレスがあるおかげで、私たちは成長することができるのですね。

「しかも、『楽しい!』と感じる多くのことは、ストレスをともなうことですよね。登山したり、マラソンしたり、ドキドキハラハラする映画を見たり、ゲームをしたり、ジェットコースターに乗ったり。心身に緊張やプレッシャーをかけることで、私たちはスリルや達成感を楽しんでいるのです」
 

本来、ストレスは成長や楽しさを生み出す源泉となるもの。なのに、私たちは「ストレス=苦しいだけ」と感じることが多いのはなぜでしょうか。
 

「ストレスには“区切り”が大切なのです。一日中バーベルを持ち続けたら、体に負担がかかってしまいます。楽しいジェットコースターも止まらなかったら、ものすごいストレスになります。これは“オーバーストレス”の状態です」
 

バケツに水を注ぎつづけたら床が水浸しになってしまうように、度を超えた瞬間に、ストレスがマイナスになってしまいます。とくに心のストレスは体の不調となって現れるとアーユルヴェーダでもいわれているとマニーシュは指摘します。その顕著な例が頭痛や腰痛、胃もたれ、皮膚炎、免疫低下、うつ状態など、原因不明の不調や慢性化した病気です。

「体調不良や体質だと思っていたことが、じつはオーバーストレスが原因であることはとても多いのです。心と体は一つです。だから、心の負担を体が肩代わりするのです」

オーバーストレスの悪循環を断ち切る方法

オーバーストレスは心身に害をおよぼしている状態ですが、長く続くと「自分がオーバーストレスであることすら気づかなくなる」とマニーシュは指摘します。オーバーストレスに陥らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
 

「先ほど言ったように、ストレスには“区切り”が大切です。私たちにはリミット(許容量)があるのです。リミットを超えれば、体も疲弊するし、集中力が低下し脳もパンクします。例えば仕事なら、1時間ごとに5〜10分の休憩をとるなど、なかば強制的に“区切り”をつくることです」
 

リミットに達する前に区切りをつけることが大事なのですね。休憩時はどう過ごしたらよいでしょうか?
 

「デスクワークの人だったら、首や肩、腕の簡単なストレッチがおすすめです(下記)。仕事から頭を切り離し、体を動かすなどすると、全身の血のめぐりがよくなり、脳のリフレッシュが図れます。ポイントは“ゆっくりとした呼吸に合わせて動作を行う”こと。呼吸を同調させることで、集中力や記憶力、判断力を高める瞑想やマインドフルネスの効果が得られます。
 

瞑想やマインドフルネスは、呼吸法などを通じて今この瞬間に集中した状態に入るもの。ただ、脳は退屈が苦手なので、慣れないうちは呼吸だけに集中するのは難しいのです。しかし、体を同時に動かすことで意識がそこに集中するので、呼吸法が続けられます。つまり、体を“集中のツール”にしてしまうのです」
 

【オフィスでできるマインドフルネス簡単ヨガ】

①体をまっすぐ立てて、ゆっくりと息を吐きながら、右手で左側頭部をゆっくりと押して、首筋を伸ばします。

②そのまま息を吐き切るまで、首筋の伸びを感じます。

③息を吐き切ったら、今度はゆっくりと息を吸いながら、首を縦に戻していきます。

④反対側も同様に。①〜④を3回続けます。

職場で簡単にできるマインドフルネスヨガ

自分に意識が向けば、よりよい生き方を選択できる

世の中には自分ではコントロールできないタイプのストレスもたくさんあります。例えば、職場の人間関係、満員電車、辛い仕事などからオーバーストレスを抱えている人はどうしたらよいでしょうか。
 

「まずは自分自身がオーバーストレスの状態にあることを、きちんと気づいてあげることが大切です。病気に至る前のオーバーストレスの兆候として多いのは頭痛。あるいは全身のだるさや痛み、睡眠中の歯ぎしりもストレスのサインである可能性が大です。
 

さて、どうやって解消しましょうか? 生きていくうえで、私たちはストレスとなりそうな原因をすべて避けていくことはできません。ですから、『今あるがままを受け入れる』ことがオーバーストレスから自分を救ってあげる一番の方法になるのです。それがどうしても難しいようならば、転職したり、引っ越してみたりと、環境を変えることを考えてもいいかもしれませんね」

今あるがままを受け入れる――簡単そうで難しいかもしれません。
 

「それは“あなた次第”です。私が体験した話をしましょう。以前、空港のリムジンバスに乗っていたときのこと。赤ちゃん連れの若い夫婦が乗ってきたのですが、バスが走り出すなり、赤ちゃんが大きな声で泣き出したのです。車内にはフライトで疲れている人も多く、みんなイライラしはじめました。
 

でも、私は赤ちゃんの泣き声に聞き惚れてしまいました。あんなに小さな体から、大人でも出せないような大きな声を上げている。ただ、自分が快適じゃないから、あるいはお腹が減ったから訴えているのです。そのうち、赤ちゃんはピタリと泣き止み、今度は一瞬で寝てしまいました。私は心が震えて、この状況を与えてくれた赤ちゃんに感謝したくなりました。
 

赤ちゃんはオーバーストレスを全部吐き出して、気持ちよく眠りに就いたのです。悩みや苦しみとして持ち越すことなく、その場で発散して区切りをつけたのです。私たちは大人になると、ツラいことも泣きたいことも、ぐっと我慢して飲み込むのです。我慢することが、病気や不調の原因になってしまうのです」

マニーシュは、赤ちゃんの泣き声を“受け入れた”のですね。でも、でもうまく気持ちをコントロールできず、イライラしてしまった人もいたでしょう。どうすれば、すんなり受け入れることができるのでしょうか。
 

「“焦点”を変えればいいのです。物事のどこに自分がフォーカスするか。それ次第で、天国を味わうこともできれば、地獄を味わうこともできる。決めるのは私たちなのです。そのことに気づく力を与えてくれたのがヨガであり、瞑想です。疲れているときだったら、私も泣き止まない赤ちゃんにイライラしたかもしれません。その余裕を作るためにヨガのマインドフルネスを続けています。
 

すぐ自分が変わる処方せんをお教えしましょう。それは『規則正しい生活を送ること』です。とくに、規則的な食事、適度な運動、十分な睡眠――この3つが整えば、心身が安定します。そうすると心に余裕が生まれるので、受け入れる器が大きくなる。多少のオーバーストレスやまわりの環境に負けないしなやかな自分になっていくのです」

この当たり前の生活を続けることが現代人は難しいと、マニーシュは指摘します。
 

「なぜなら、大人になると、家族、仕事、お金、世間体など大事と思えることが増えて、自分自身を後回しにしがちになるからです。しかし、心が無理をすれば体にそのシワ寄せがくるのと同じように、自分を犠牲にしつづければ、家族にもその影響が出るし、本当にいい仕事はできません」

マニーシュは規則正しい生活に加え、1日決められた時間の「ヨガ」を絶対に外さない自分とのアポイントにしているといいます。

「急に生活を変えるのはむずかしいという人は、運動でも趣味でも食事でも、自分の好きなことを一つだけ習慣化してみてください。そうすれば、心と体が安定して、生活全体に良い波及効果が広がっていきます。
 

そして、もしストレスに負けそうな自分に気づいたら『深呼吸して、スマイル』。現代人は意識が外に向きがちです。呼吸を変えることで、自分の内側に意識が向く。自分に立ち帰ることができれば、私たちはおのずとより良い生き方や思考を選択できるようになるのです」(取材・文 / 麻生泰子)

ATHA YOGAを主宰するマニーシュ

マニーシュ Maneesh

アルバータ州立大学医学部(薬理学専攻)卒業、ウエスタン大学ビジネススクールでMBA取得。カナダにて伝統的なインド人家庭に生まれ、ヨガ哲学に基づいた価値観のもとで育つ。日本の外資系企業で働いたのち、自らのルーツであるインドでヨガ、アーユルヴェーダ、サンスクリット語を学び、現在、ATHA YOGA  主宰。日本在住20年。

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