MRI は優れた臨床画像を提供する装置ですが、多量のヘリウムを使用する従来の MR 装置では、装置の維持に膨大な費用がかかり、安全性に関する運用条件がありました。フィリップスでは、お客様がヘリウムに依存しない MR 運用が可能となるように、ヘリウム密封型 BlueSeal マグネットを開発しました¹。 この革新的な BlueSeal マグネットに充填されるヘリウムの量は、 従来の MR マグネットと比較して 0.5% 未満です。これにより装置導入における設置の自由度が高まり、確実な性能が得られるとともに、ヘリウム使用による運用上のリスクから解放されます。
革新的な BlueSeal マグネットテクノロジーは、導入以来、MRI 運用環境を変革し、新しい業界トレンドを確立しました。そして、そのインストールベースの拡大がこれを裏付けています。
* 節約される液体ヘリウムの量は、1,500 リットルのヘリウムを使用する従来のマグネットと比較して算出
* 2024 年 2 月末時点
フィリップスでは、BlueSeal マグネットの提供を通じて、持続可能でより生産性の高い MR 運用の実現を目指しています。私たちの目標は、従来のマグネット設計におけるヘリウム関連の問題に関するお客様の心配を取り除き、中断のない MR 運用を可能とし、限りあるヘリウムの供給に依存せずに済むようサポートすることです。
フィリップスの BlueSeal で採用している新しい Micro-cooling テクノロジーは非常に効率が高く、冷却に必要な液体ヘリウムはわずか 7 リットルです(従来のマグネットでは約 1,500 リットルが必要)。この少量の液体ヘリウムは製造時にマグネットに注入され、密封されます。そのため、貴重なガスが閉じ込められ、液体ヘリウムが漏れ出すことはありません¹。これにより、ヘリウムに関連する MR 運用の中段が長期に渡って低減され、マグネットの耐用寿命にわたるヘリウムの再充填コストが不要となります。
スペイン、Hospitales San Roque、Head of Radiology Department、Marίa del Mar Travieso 医師
従来のマグネットの設置 従来のマグネットでは、安全性の条件を満たし、マグネットでクエンチが発生した場合にヘリウムガスを施設外に排気させるため、長いヘリウム排気管(クエンチパイプ)を設置する必要があります。フィリップスの BlueSeal マグネットではヘリウムがマグネット外に漏れない¹ためクエンチパイプが不要で、新規導入時の施工コストを大幅に削減できます。
BlueSeal マグネットの設置
BlueSeal マグネットは従来のマグネットと比較して約 900kg 軽量化されています²。これにより設置の自由度が高く、床の耐荷重補強に対する施工コストを削減できます。
フィリップスの BlueSeal マグネットは、人工知能(AI)を搭載した初のマグネットで、EasySwitch ソリューションという独自のサービス機能をサポートしています。例えば、ボア内で何か物が引っかかった場合には、BlueSeal マグネットの磁場を一時的に落とすことができます。問題が解決した後、病院またはフィリップスの担当者⁴が再起動(励磁)することで再び磁場を回復することができるため、運用時のダウンタイムを最小限にできます。
日本、東海大学病院、橋本教授
将来を見据え、先端医療や災害対応も含めた MR 検査効率の向上を目指し、BlueSeal マグネットを搭載した MR 5300 を導入いただいた先生方の声をご覧ください。
わずか 7 リットルのヘリウムで MR システムを 24 時間稼働するのは不可能である。
ヘリウムは人間が作り出すことができる無限の資源である。
ヘリウムフリー MR テクノロジーによる MRI システムではパワー不足なため、高画質の画像が得られない。
磁場の消失が偶発的に発生した場合、超電導コイルの温度は上昇し、冷却システム内の圧力は制御可能な中程度の圧力まで上昇します。マグネットはこの状況に十分対処できるように設計されています。
医用診断用の磁気共鳴装置の安全性に関する特別な要件については、IEC国際基準60601-2-33に記載されています。BlueSealマグネットは密封された冷却システムの中のヘリウムは微量なため、磁場の消失時にヘリウムが漏れ出すことはありません。その結果、次のようなIEC要件が適用されず、施設の安全手順の簡素化が期待できます。
極端に少ないヘリウムでも優れたマグネットの性能を維持します。均一性は良好で高い磁場の安定性があります (0.001 ppm/H)、また傾斜磁場の直線性が高く、最大55cmの撮像視野が得られます。
患者に非常事態が発生した場合、Emergency Ramp Down Unit (ERDU) ボタンを押すと、システムは直ちに消磁します。このとき、ヘリウムはすべて気化しますが、密封された冷却システム内に留まっているので、ヘリウムを再度充填する必要がありません。ヘリウムを調達するための待ち時間は不要で、再度4K以下までマグネットを冷却して調整し、システムの使用を再開できるまでに要する時間は約3日間です。患者に非常事態はないが消磁が必要な場合は、EasySwitchソリューションにより一時的な消磁と励磁が操作コンソールから施設スタッフにより可能です。この場合は約1時間かけてゆっくり行います。必要な対応の終了後にマグネットの冷却と励磁を行い、約数時間*で検査再開が可能です。
*装置状態に依存して検査再開までの時間に差が生じます
ぜひ、お問い合わせください。フィリップスの専門スタッフが、持続可能でより生産性の高いヘリウムフリー MR サービスへの切り替えをお手伝いします。
スピード、快適性、確信度の高い検査をサポートするヘリウムフリーMRの活用
ヘリウムフリーマグネットによる生産性の高い患者中心の MR 検査の提供
1 稀なケースとして、マグネットの密封が損なわれた場合でもヘリウムの量はわずかであるため、漏れたヘリウムが室内の酸素レベルに影響を与えることは実質的にありません。 2 Ingenia 1.5T ZBOマグネットと比較した場合。 3 等方性3D MSK VIEWスキャンで、Compressed SENSEなしのフィリップススキャンと比較した場合。 4 適切なサービス契約が必要です。
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