2020年11月に開催された大学日本一を決める「第52回全日本大学駅伝」で、前年度の13位から3位に躍り出た明治大学競争部の駅伝チーム。2021年の幕開けとなった新年の駅伝でも存在感を発揮しました。 明大駅伝チームを率いるのは、2018年に就任した山本佑樹駅伝監督。自身も大学時代はエースとして活躍し、実業団の選手、さらには指導者として駅伝一筋の人生を歩んできました。明大の監督就任後は、箱根で2019年総合17位、2020年総合6位へと瞬く間にチームを引き上げ、“強いチームづくり”でその手腕が評価されています。短期間で選手とチームを育て上げたマネジメントの秘策はどこにあるのでしょうか。 「2019年から大きく変えたのは『睡眠』のマネジメントです。強い選手を育てる基本は〈食事・練習・睡眠〉のサイクルをしっかり確立していくことに尽きます。食事と練習は管理できますが、『睡眠』はなかなか目が届かないのが課題でした。そこで、睡眠に科学的にアプローチするべく、2019年から『SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド』を導入し、“睡眠マネジメント”を始めたのです」 SmartSleepは、頭に装着して寝ることで、脳波から深い睡眠を検知し、オーディオトーンで深い睡眠をより長く持続させる最新のスリープテックです。SmartSleepによる“睡眠マネジメント”を始めたことで、選手にはどんな変化が現れたのでしょうか。 「まず選手の表情や声のハリに力強い変化を感じました。これまではケガや故障で練習に参加できない選手が全体の1〜2割いたのですが、使い始めてからゼロに近くなりました。ケガの原因は多くの場合、“リカバリー不足”です。選手は毎日30〜50キロもの長距離を走りますから、トレーニング後の回復が絶対欠かせないのです。それが睡眠でしっかりリカバリーできるようになったことが大きいと思います」 深い睡眠で体が回復し、翌朝からハードワークをこなせる体づくりができる――“睡眠”を軸に好循環が生まれていったのです。 駅伝は、選手個人の実力やコンディションだけでなく、天候や走行区間、ライバルとの心理的駆け引きなど複数の要素が絡み合って、さまざまなドラマが生まれるスポーツです。“本番に強い”選手を育成するうえで、山本監督が大切にされていることは何でしょうか? 「日頃の地道なトレーニングやチームワークが最重要ですが、選手の精神力を強化するには『睡眠』も欠かせない要素だと考えています。しっかり眠って朝気持ちよく目覚めると、その日1日の過ごし方が変わってきます。心身が研ぎ澄まされた状態で、トレーニングや自分自身に向き合うことができる。その積み重ねができる選手は、大きな試合でも動じず、高いパフォーマンスを発揮できると感じています」
2年生から箱根を走る手嶋杏丞選手(3年生)は、大学駅伝で注目のエースです。軽快な走りでライバル選手を追い抜き、チームに大きく貢献する“攻めの走り”を得意としています。 「もともと朝に弱いので、SmartSleepを渡されたときは『これはいいかも』と期待が高まりました。自分は使い始めて早い段階から、朝起きたときのスッキリ感が違うと自覚しました。目覚めがいいから、5時40分からの朝練もスタートダッシュもいい。練習に集中して取り組めるようになったと感じています」 SmartSleepでは、スマホと連動したアプリで自分の「睡眠スコア」が示され、その日の睡眠を100点満点で数値化することができます。 「朝練後にアプリをチェックして、自分の睡眠を振り返るのが毎日の習慣。よく寝たなあと感じる日は、100点近いスコアが出ていて、それだけで達成感を感じちゃいますね。点数は練習日誌でも報告しています」 自分の睡眠の質が可視化できる――それによって、自分のコンディションが把握でき、セルフマネジメントの大切さをよりいっそう意識するようになったという手嶋選手。 「遠征や合宿でも、ウェアやシューズと一緒にかならずSmartSleepを持っていきます。将来は実業団で活躍したいと考えているので、こうしたツールも活用しながら、大学のうちに強靭な体づくりと自己管理能力を高めていきたいと考えています」
主将を務める前田舜平選手(4年生)は、強く生まれ変わった明大駅伝チームの中心として、全日本大学駅伝をはじめ「大学三大駅伝」で高い成績を残してきました。 「普段は寝つきも寝起きもいいほうですが、疲れすぎた日や大会前などは、眠りが浅くなる日があります。こうした日もSmartSleepは深い睡眠にブーストをかけてくれて、本来50点ぐらいのスコアを80点まで押し上げてくれる。どんなコンディションの日も、睡眠の質を高いレベルで維持できるのはとても助かっています」 1年近く使い続けてきた結果、日常生活にも変化を感じていると前田選手は話します。 「日中に眠気をもよおすことが少なくなりましたね。明大駅伝チームは文武両道なのですが、朝練後に授業に出席しても眠くならず集中できるようになりました。SmartSleepをつけて眠るのは、自分にとって歯磨きと同じ生活の一部。今では1日を有意義に過ごすために欠かせないツールになっています」
選手のマネジメントに“睡眠マネジメント”をいち早く導入した山本監督。選手の可能性を引き出すために、日々考え、試行錯誤しながら、現在の指導法にたどりついたといいます。 「ただハードワークを積み重ねても、勝てるチームは育たない。最後の詰めとして、選手に何ができるか?と考え抜いて『睡眠』という答えにたどりついた。最初はどれだけ成果につながるか未知数でしたが、SmartSleepを導入して確かな効果を実感しています」 そして、SmartSleepの導入は、強いチームをつくるだけでなく、選手一人ひとりの自立と成長をうながすうえでも役立ったと話します。 「睡眠の質が可視化されることで、おのずと反省や自省がうながされて日常生活の過ごし方も変わってくる。選手自身の意識も高まったと感じています」 最後に、山本監督が選手たちを指導するうえで最も大切にしているのはどんなことでしょうか? 「究極の目標は『勝つこと』ですが、学生である彼らは競技生活を終えた後も長い人生が待っています。競技を通じて、自主性や人間性を高めて社会で活躍できる人になってほしい。駅伝に全身全霊で打ち込んだ経験が、彼らの一生を豊かにする力になってくれればと思います」 明大駅伝チームの成長は、指導者によるマネジメントが選手の可能性を大きく引き出すことを示してくれました。とりわけ山本監督が新たに導入した“睡眠マネジメント”は、アスリートのマネジメントにおいて重要な一つとなっていくでしょう。勢いが止まらない明大駅伝チーム、今後の活躍にますます注目です!(取材・文/麻生泰子) 動画を見る「飛躍のカギは睡眠」SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド 動画を見る「パフォーマンス管理の新たなツール」SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド
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