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3 15, 2020

仙台市とフィリップスの新たな挑戦! オープンイノベーションから生まれる東北の未来

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企業、団体、自治体などが集う“オープンイノベーションの実験室”Philips Co-Creation Center(CCC)。地域が抱えるヘルスケア課題を新たなビジネスに変えて、東北・仙台の未来につなげる試みが始まっています。

ヘルステックで、地域と人をもっと元気にしたい

ヘルスケアを進化させるソリューションが、東北から生まれようとしています。東北の中核都市として発展してきた仙台市では、2019年4月に「仙台市経済成長戦略2023」という中期計画を策定しており、その7つの重点プロジェクトの一つがIoTやAI、VR/AR、5Gなどテクノロジーによる地域の産業の高度化を目指す「X-TECH(クロステック)イノベーション都市・仙台」です。このプロジェクトでは、新事業の創出や先端IT人材の育成を図り、「Society5.0」の実現に取り組んでいます。

 

その中の一つが、ヘルスケアとITを融合させた仙台市ヘルステック推進事業。東北地方は、日本の中でもとりわけ高齢化による医療費の増大、医師不足など介護・医療分野の課題が山積しています。さらに、2011年の東日本大震災以降は、一部の地域で医療過疎や高齢化が加速しました。

 

その一方で、東北大学では医療ビッグデータ活用や東北における疾病研究など、先進的な研究が進められています。さらに、地域の課題解決に向けて、企業や自治体の健康・医療・地域事業の活性化に向けた機運が高まっているのです。

 

こうしたニーズ(needs)とシーズ(seeds)を結びつけて、仙台で新たなヘルステックビジネスや人材を生み出す事業として始まったのが仙台市ヘルステック推進事業です。その拠点として2019年5月に創設されたPhilips Co-Creation Center(CCC)では、医療ヘルスケアのニーズを持つ組織・団体と、それに応えるシーズを握る企業・研究機関などが一堂に会し、自由に議論を交わすCo-Creation(共創)の場として開かれています。

 

企業、団体、自治体、大学の垣根を超えた交流を通じて、日本の医療課題解決に向けたヘルスケア領域のソリューションを生み出す――ヘルステックの新しい試みが仙台から始まろうとしているのです。

日本は高度診断装置の病院設置数で世界トップ

ヘルスケア課題を地域のビジネスチャンスに変える

現在、仙台市ヘルステック推進事業では、自治体や団体が抱えるヘルスケア課題の解決に向けたワークショップをCCCで開催しています。ワークショップでは参加するパートナー企業や団体が、自由な発想を出し合ってビジネスモデルを描きます。さらに、マーケティング戦略設計のメソッドに従って事業計画を立て、ビジネスにつなげる段階へと進められます。現在、次のようなビジネスモデルが議論されています。

 

仙台市の東部沿岸部に位置し、地下鉄東西線のターミナル駅がある荒井東地区において、まちづくりを推進する荒井タウンマネジメントは「安全・安心な暮らしを支えるまちづくり」を目標に掲げています。ITベンダー、通信会社、IT機器メーカーの担当者が参加した話し合いでは【IoT機能を持たせた多目的ポール】を街中に立てて、災害時の情報提供機能、救急救命機能、防犯用顔認証機能の搭載などのほか、ゲーム的な要素を加えて外出を促し、商店街を盛り上げるアイデアが話し合われました。

 

仙台市健康政策課が抱える「市民向けの健康増進施策を打ち出し、健康寿命延伸を実現して医療費削減につなげたい」という課題には、メタボ予備軍に向けた【食事・運動の行動変容を促すアプリ】の提案が持ち上がっています。このチームには、流通会社、製薬会社、イベント会社、印刷会社などが参加し、歩数でお買い物ポイントが加算される機能、ゲーミフィケーション(※1)の活用、あるいは食生活改善として地産地消レシピ提供などをコンテンツに盛り込む提案が生まれ、将来的にはスマートホームとの連携を追加するなどのアイデアも出されています。

 

このほか「利用者の健康増進につながるサービスを開発したい」(協会けんぽ宮城支部)についてはウェアラブルデバイスやアプリ、リスク検査キットなどのサービス提案が浮上し、「介護施設職員の業務負担を軽減したい」という課題(仙台フィンランド健康福祉センター)には、介護記録の作成支援ソフトの提案が生まれています。
 

※1:ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用すること

MRI・CTにおける高速化技術

オープンイノベーションは革新的アイデアが生まれる場

これからの時代、革新的な発想やビジネスは「オープンイノベーション」の場から生まれると考えられています。オープンイノベーションとは、複数の企業、大学、自治体、社会起業家など異業種・異分野が、それぞれの技術、ノウハウ、データなどを持ち寄り、一つの目的に向かってCo-Creation(共創)すること。

 

CCCは、いわば“オープンイノベーションの実験室”として、仙台市ヘルステック推進事業を通して企業と企業、人と人をつなげて新しいアイデアを生む場として機能しています。ここに集う人たちは、どんな目的を持って、どんな成果や学びを得ているのでしょうか。今回のワークショップに参加した人たちからは、こんな声が聞かれました。

 

「今日のワークショップで、IoTを活用した地域サービスを立ち上げる議論が進みました。その実現は、システム、サービス、医療機器、自治体などさまざまな企業・団体がノウハウや技術を出し合うことで可能になります。また、ビジネスとして軌道に乗せるには、資金確保に加え、地域の人にとって本当に必要なサービスであることが重要だと感じています」

 

「私たちは、主要事業である電子カルテや自治体向けのシステム技術を生かして、ヘルスケアのスマートシティモデルをつくりあげたいと考えています。仙台が先端的なまちづくりの発信地となるために、ここで思いを同じくする企業や団体の方とネットワークを広げていけたらと思います。また、産学連携で東北大学などともより一層力を合わせていきたいですね」

 

「私たちは仙台発のベンチャービジネスの活性化を目指し、東北一円の自治体や企業と取引させていただいているベンチャーキャピタルです。仙台を本拠地におく企業を増やしていくのが、私たちが描くヴィジョンです。私自身、東北大学で6年間を過ごし、東京で経営コンサルタントを経て仙台に戻ってきました。CCCでの出会いを生かして、東北経済を元気にできればと考えています」

 

この日のワークショップでは、東北経済産業局や、東北総合通信局の担当者が講演し、来年度の支援制度についてレクチャーされました。また、実際に公的資金を獲得してビジネスを成功に導いたベンチャー企業(株式会社インテグリティ・ヘルスケア)や、地元IT企業(産電工業株式会社)による講演も行われました。新規ビジネスをスタートする際に役立つ知識やプロセスを学べる場としてもCCCは機能しています。

 

新たなヘルスケア事業の可能性を探ってみたい、地域に貢献できるビジネスに挑戦したい、自社のテクノロジーを応用できる新事業を開拓したい――CCCを拠点にそんなニーズとシーズが集まって、仙台発の新たなヘルステックビジネスがここから始まろうとしています。(取材・文 / 麻生泰子)

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