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6 03, 2019

呼吸が睡眠と生活の質を変える。
眠る前の“ヨガの呼吸法”を始めよう!

ページを読む時間の目安: 3-5 分

今日、どれだけ“自分”と向き合いましたか? 夜眠れないなど睡眠の悩みは“心ここにあらず”の生活パターンがつくりだしているかもしれません。心地よい眠りに誘い、生活の質を変えるヨガの呼吸法を紹介します。

良い睡眠は“深さ・質・タイミング”で決まる

現在、日本人の5人に1人が眠りに関する悩みを抱えているといわれています。睡眠は人間の三大欲求の一つであり、生きていくうえで欠かせないものですが、なぜ、よく眠れない人が増えているのでしょうか。カナダのアルバータ大学医学部で学び、ATHA YOGAを主宰するマニーシュは良い睡眠についてこう語ります。
 

「多くの人は睡眠時間にこだわりがちですが、睡眠は深さ・質・タイミングが大切です。夜10時から7時間眠るのと、深夜1時から7時間寝るのでは必然的に眠りの深さや質が異なります。人間は何万年にわたって太陽の動きとともに暮らしてきました。私たちの体は、朝になると自然と目覚めて、日中の活動をサポートするコルチゾールなどのホルモンが活性化し、夜になると睡眠を促すメラトニンなどのホルモンが分泌されて眠くなるというリズムが刻まれています。これはサーカディアンリズムという体内時計の働きによるものです。
 

しかし、ここ1世紀ほどでライフスタイルは大きく変わりました。電気が発明され、夜中まで活動できる環境になると、人は自分の体内時計を無視した生活を送るようになりました。せっかく体が睡眠のホルモンを分泌し始めたのに、ベッドに入らない。その結果、深い眠りでよく休める最適のタイミングを逃してしまいますから、なかなか寝つけない・寝ても疲れがとれないなどの問題が生じてくるのです」

夜型、朝型などと眠りのパターンには個人差があるといわれることもありますが、現代のライフスタイルでは夜型向きに体質が変わってきているのでしょうか?

 

「夜型向きの体質というより、単に体内時計からずれたライフスタイルがクセになっている状態かも知れません。アーユルヴェーダの考えでは夜10時までが寝付きやすいカパと呼ばれる時間になります。個人差がありますが、この時間を過ぎると自然に眠れなくなることがあります。体質や年齢などによって必要な睡眠時間は異なりますが、夜10時にまで寝ると朝5時には8時間睡眠をとったことになり自然に目覚める人も多いでしょう。

 

実は、私も若い頃は夜遅くまで起きていて、朝はギリギリに起きる生活を送っていました。でも、少しだけ努力をしたら夜は早く寝て朝は早く起きる生活に変わり、自然と朝に目覚めるようになりました。しかも、夜型だった若い頃より、自然のリズムに合わせた生活をする今の方が、体と心が安定してアイデアも豊かになりました。私のヨガの朝練に来る生徒さんたちでも夜型の生活をしていた人が多く、意識を変えることで朝早く起きる生活に変わることができたと言っています。アーユルヴェーダの考えからも、本来の人間の体のしくみとして早寝早起きの朝型生活は、質の高い睡眠で気持ちよく目覚めることができ、日中の生産性が上がる理想的な生活パターンなのです」

ベッドでスマホを見るのは“役に立たない習慣”

心地よい眠りへと誘う“ヨガの呼吸法”

ときには、考え事が次々と頭に浮かんできて眠りにつけなくなる不眠もあります。ヨガや心理学では、こうした感情や思考の一人歩きを「モンキーマインド」と呼びます。猿がじっとしていられず、木から木へと飛び回っているようなイメージです。
 

「モンキーマインドを意思の力でコントロールするのは至難のわざです。感情や思考をうまくコントロールするには何かに意識を向けること。例えば、ロウソクの炎、水面のさざなみを見つめることなどに意識を向けることも方法の一つです。もっとも身近で、いつでもどこでもできる簡単な方法は“呼吸”です。『吸う・吐く』をくり返す呼吸をじっと観察すること。観察することでモンキーマインドが静かになり、心の落ち着きが生まれます。体の変化としては、安定した呼吸で副交感神経が優位になり、血行が良くなってリラックスモードに変わることが多くなります。これを続けていくと、やがてストンと眠りに落ちることにつながるかもしれません」

【心身を眠りに誘うヨガの呼吸法】※

寝る前に目を閉じて以下に紹介するヨガの呼吸法のいずれかの方法を行います。5分~10分続けてみましょう。以下にご紹介するのはとてもベーシックな呼吸法です。さらに深めたい方は専門のレッスンを受けてみてください。

〈呼吸観察〉

吐く息と吸う息をただじっと観察しましょう。その最中、考え事が始まってしまったら、その都度「考えている自分がいるな」といったん認めて、もう一度、呼吸観察へと意識を軌道修正しましょう。

〈呼吸カウント〉

1・2・3・4とカウントしながら息を吐き、1・2・3・4と数えながら息を吸います。途中で呼吸を止めずに何度かくり返したら、カウント数を増やしながら、ゆっくりとした長い呼吸を深めていきます。

〈ブラーマリー(蜂の音の呼吸法)〉

両耳を親指でふさいで、口を閉じて「んーーー」という声を出しつづけます。息が切れたら、息を吸ってまた「んーーー」を繰り返します。頭蓋骨に響く心地よいバイブレーションを感じましょう。

 

※ヨガにおける呼吸法は本来、専門の知識を持った指導者から直接指導されるものです。

   ご自身の体調に合わせ、必要に応じて医師のアドバイスを受けましょう。

   無理はせず、呼吸が苦しくなったらすぐに自然な呼吸に戻してください。

生活パターンを改善する呼吸ヨガ

ヨガの呼吸法を極めれば、生活全体をコントロールできる

睡眠をはじめとする生活パターンを改善していくには、知らず知らずの間に自分が作りあげていた“役に立たない習慣”を自覚することが第一だとマニーシュは指摘します。
 

「多くの人は、早起き、運動、勉強など“良い習慣”を増やそうと努めます。しかし、それと同時に必要なのは、自分が陥っている“役に立たない習慣”に気づくことです。例えば、夜にベッドでスマホを見たり、だらだらとテレビを見てしまう、そして、家に帰ってもつい仕事のことを考えてしまうなど、惰性で続けている習慣があるはずです。
 

振り子に力を加えると、慣性の法則で左右にずっと揺れつづけます。習慣も同じです。一度、パターンを覚えてしまうと、無限ループに陥ってしまいます。そこに気づけるのは自分しかいません。
 

夜決めた時間になったらPCやスマホを切る、くよくよ考え出したらヨガの呼吸法をするなど、意識してその習慣を断ち切る。そうすると、『明日起きたら、ジョギングしよう』『仕事後は英会話の勉強をしよう』などと新しいチャレンジをする余裕が生まれてくるかもしれません。」

 

今、自分が何をしているのか、どんな状態なのか立ち止まって自分を見つめ直す。そうすることで、役に立たない習慣が良い習慣へと置き換わっていくのですね。
 

「そう。現代人は“自分と一緒にいる時間”がとても少ないのです。朝起きたらとりあえずテレビをつけて、会社で仕事して、家に帰ってきたらネット、SNSの世界に浸る。たえず自分の外の世界に意識が向き、“心ここにあらず”のまま1日が終わってしまいます。自分と一緒にいる時間をつくるうえで役立つのが、先ほど紹介した“ヨガの呼吸法”です。自分の呼吸をじっと観察することは、外の世界から意識を切り離し、自分自身を深く見つめることです。呼吸をコントロールできたら、心と体をベストコンディションにサポートできるようになります。集中したいときに集中し、休みたいときは本当にリラックスできるようになります。
 

ぜひ、“良い習慣”としてのヨガの呼吸法を生活に取り入れてみてください。最初は1分程度かもしれませんが、気持ちがよくなることで5分から10分ともっと続けたくなり、やがて毎日の習慣になります。そして自分の意識や睡眠の質が変わっていることに気づくでしょう。やがてライフスタイルに影響を及ぼし、生活全体が良い習慣に溢れていくはずです」

(取材・文 / 麻生泰子)

ATHA YOGA主宰のマニーシュ・カルラ氏

マニーシュ (Maneesh)
 

アルバータ州立大学医学部(薬理学専攻)卒業、ウエスタン大学ビジネススクールでMBA取得。カナダにて伝統的なインド人家庭に生まれ、ヨガ哲学に基づいた価値観のもとで育つ。日本の外資系企業で働いたのち、自らのルーツであるインドでヨガ、アーユルヴェーダ、サンスクリット語を学び、現在、ATHA YOGA 主宰。企業やイベントでのヨガやマインドフルネスのレッスンも開催。日本在住20年。

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