* 本資料は、蘭 ロイヤルフィリップス社が2017年5月22日(オランダ時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳し、6月6日、皆さまのご参考に供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、https://www.philips.com/a-w/about/news/all-news.htmlをご覧ください。
オランダ、アムステルダム - 肺疾患領域において最近報告された研究結果で、在宅で非侵襲的換気療法(Noninvasive Ventilation、以下NIV)と在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy、以下HOT)を併用することで急性増悪を起こした慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、以下COPD)患者の再入院や死亡までの期間が有意に遅れることが示唆されました。
5年間にわたり多施設で行われた本試験では、再入院または死亡までの期間が3カ月近く延び、試験開始後6週間の健康関連QOLが改善しました。
ロンドンのセント・トーマス病院レーン・フォックス呼吸器科で臨床部長を務めるニコラス・ハート教授は、
「これまでは、重度のCOPDで高炭酸ガス血症が持続する患者に提供できる治療の選択肢は限られており、一般的に予後は不良でした」と前置きし、次のように述べました。「本試験では、在宅でのHOTとNIVの併用が、患者のQOLを保ちながら再入院の回数を減らすことが示唆されました。これにより、COPDの治療方針は世界中で大きく変わっていくと予想されます。今後も研究を積み重ね、重度のCOPDにおける死亡率や再入院率を低下させることを目標としていきます」。
COPD患者116名に対する今回のランダム化比較試験はロイヤルフィリップスとの共同出資で行われ、イギリス ロンドンのセント・トーマス病院の呼吸器専門医を代表として実施されました。その結果、在宅NIVをHOTに追加することで、再入院または死亡までの期間が、HOTのみの場合の1.4カ月から4.3カ月まで延びました。
フィリップスのチーフメディカルリエゾンであるテオフィロ・リー・チョン・ジュニア医学博士は、「本試験結果から、在宅におけるNIVは重度のCOPD患者の再入院を予防するための有力な治療方法となり得ることが分かりました」とした上で、次のように述べました。「これにより、患者がより健康で健やかな生活を送れるようになることを願っています。今回の結果は、COPDという有病率が高い呼吸器疾患に関する我々の知見を大幅に増やし、また、臨床医がCOPD患者の長期にわたる在宅酸素療法をどのように管理するかに大きく影響を与えると期待されています」。
本試験結果は2016年9月にイギリス、ロンドンで開催された欧州呼吸器学会 国際会議で初めて発表されました。「COPD急性増悪後の再入院または死亡に対する在宅非侵襲的換気療法+酸素療法併用と酸素療法のみの有用性を検討したランダム化比較試験(Effect of home non-invasive ventilation with oxygen therapy vs. oxygen therapy alone on hospital readmission or death after an acute COPD exacerbation: A randomized clinical trial)」と題された最終論文は、米国胸部学会国際会議 (米国ワシントンDC、5月19-24日開催)で発表された後に米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)で報告されました。
2017年4月に報告されたフィリップス出資の別の試験では、AVAPS-AE(トリロジー特有のモード)の使用を含む包括的なケアプログラムの実施によるCOPDの再入院率低下に伴い、患者や病院の医療費負担が有意に削減されたことが認められました。これらの試験に対する出資は、在宅NIVの技術向上を先導し、COPD患者の症状緩和を目標とするフィリップスのコミットメントの表れです。
フィリップスは、BiPAP A40システムシルバーシリーズ、トリロジーのような先進的なNIVを含む幅広いソリューションを提供することでCOPD患者を支援し、QOLを改善できるよう日々取り組んでいます。フィリップスは、現在北米で販売されているトリロジーとCare Orchestratorを広めることで、さらに効率的な患者管理を可能にしています。
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニーです。健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという一連のヘルスケアプロセスを通じて、先進的なテクノロジーと、医療従事者および消費者のインサイトを基に、人々の健康を改善し良好な結果をもたらすための包括的なソリューションを提供しています。主な事業領域は、画像診断、画像誘導治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティックスのみならず、パーソナルヘルスや在宅医療まで、さまざまな領域に渡ります。フィリップス ヘルステック事業の2016年の売上高は174億ユーロ、オランダを拠点に全世界に71,000人の従業員を擁し、世界100カ国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。(https://www.philips.com/newscenter/)
1891年オランダで創業し、ビジネスモデル変革と長い歴史の中で培った技術と知見を生かしながら、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケアプロセス」においてイノベーションを実現してきたヘルスケア・カンパニーです。フィリップス・ジャパン(旧フィリップス エレクトロニクス ジャパン)は、超高齢者社会を迎える日本の健康と医療の問題に貢献したいと、2017年10月1日より社名を変更し、ヘルステックカンパニーとして、ヘルスケア分野の変革に取り組んでいます。今後、「病院」というプロフェッショナルな分野におけるフィリップスの先進医療機器と、パーソナルヘルスと呼ばれるオーラルヘルスケア(電動歯ブラシ)、AED、在宅呼吸器などがクラウド上で繋がり、デジタルプラットフォーム上でビッグデータが解析されることで、総合的な医療、リアルタイム分析、付加価値サービスが可能になります。これにより、人々の健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケアプロセス」において、革新的な医療ソリューションを提供し、医療従事者の皆様、患者様だけでなく、すべての人々の健康な生活への貢献を目指しています。(https://www.philips.co.jp)
株式会社フィリップス・ジャパン コミュニケーション担当