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7 01, 2018

息切れ、咳、痰は肺からのSOS?肺の生活習慣病「COPD」に要注意!

ページを読む時間の目安: 3-5 分

見過ごしがちな息切れや痰、咳は、肺の生活習慣病COPDの症状かも。意外と知られていませんが、COPDは世界の死亡原因の4位でタバコが主な原因。その症状と予防策を知っておきましょう。

予備軍530万人!肺の生活習慣病を知っていますか?

階段で息が切れる、痰や咳が長引くといった体の不調を「年齢のせい」だと思い込んでいませんか? その症状、もしかしたら慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)かも。

 

COPDは、肺の気管支に炎症が生じたり、気管支の奥にある肺胞が破壊されるなどして徐々に呼吸が困難になる病気です。年齢とともに肺の機能低下が進む病気で「肺の生活習慣病」ともいわれています。COPDはとても厄介な病気です。なぜなら、初期はほとんど自覚がなく発覚する頃には重症化し、一度壊れた肺の機能は元に戻らないからです。

 

国内では現在26万人ほどが治療を受けていますが、予備軍として40歳以上の8.6%、約530万人がいると推定されています。COPDは世界的に増加傾向にあり、WHOによれば世界の死亡原因の4位を占め、2030年には第 3 位に浮上すると予測されます。

 

息切れや痰や咳といった不調に始まり、しだいに少し体を動かすだけで激しく息切れするようになります。重症化すれば呼吸不全や心不全などで死に至ることも。また、全身の健康状態にも影響し、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害、糖尿病、骨粗しょう症、抑うつなどを引き起こすこともあるのです。

 

以前は呼吸に困難が伴うようになった時点で長期入院が必要でしたが、現在は自宅で使用可能な酸素濃縮装置でつねにチューブを通じて酸素を補うことで、在宅療法も可能になりました。

 

COPDを発症すると呼吸に使用するエネルギー量が大きくなるため、体重が減少しやすくなります。体が衰弱することで呼吸の力が落ち、さらに症状が進行していく悪循環に。それを防ぐためには、食べやすさに配慮した高エネルギーな食事療法が有効で、「COPD患者さんのおうちごはん」 も考案されています。

COPD患者さんと家族

「喫煙指数」からわかる、あなたのCOPD発症リスクは?

COPD患者は、40代から増えはじめ、60~70代で急激に増加します。その最大の原因は「タバコ」。その実に9割以上は、タバコを吸っている人、あるいは過去にタバコを吸っていた人なのです。

 

タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素など多くの有害物質が含まれています。これらの有害物質は火で燃やされることで、さらに有害な物質に変化します。COPDの発症リスクは、下記の計算式で推定することができます。

 

【1日の平均喫煙本数×喫煙年数】=喫煙指数(400を超えると、肺がん・COPDのリスクが上昇する)

 

一方、タバコを吸わない人であってもタバコ対策は必要です。忘れてならないのは受動喫煙のリスク。「タバコ臭がする」と感じた時点で、すでに受動喫煙の被害にあっているのです。

 

火のついたタバコの先から立ちのぼる「副流煙」は、直接吸い込む主流煙に比べてニコチン2.8倍、タール3.4倍、一酸化炭素は4.7倍にのぼります。非喫煙者であっても身近にタバコを吸っている人がいれば、COPDのリスクにさらされているといえるのです。

副流煙で身近な人にも受動喫煙のリスクがあります

意志だけでは禁煙は困難?挫折しない禁煙3つのポイント

タバコの害はわかっていても「なかなかやめられない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。最近の研究では、その原因は「心理的依存」と「ニコチン依存」の2つの依存傾向があるとわかっています。

 

「タバコが吸えないとイライラする」「落ち着かない」などは典型的なニコチン依存症の禁断症状。こうなってくると、意志の力だけで乗り越えるのは困難です。禁煙外来を受診し、禁煙補助薬の服用などと併せて治療しましょう。

 

そして、禁煙で何より厄介なのは、心理的依存でしょう。禁煙に限らず、意志の力のみで習慣を断ち切るのはなかなか難しいもの。禁煙を成功させるポイントとなるのは下記の3つです。

  1. “魔の時間”を乗り越える環境づくり
    タバコ、ライター、灰皿、taspoカードなど喫煙グッズをすべて捨てましょう。強烈にタバコが吸いたくなる喫煙衝動は2、3分間程度とされます。“魔の時間”を乗り切るには、身のまわりにタバコを吸える環境がないことが重要。炭酸水やガムを口にしたり、体を動かして意識を切り替えるのも手。

  2. 身のまわりの人を“見張り役”にする
    まわりの人に「禁煙宣言」をしましょう。家族や仲のいい友人など気のおけない相手だけでなく、隣の席の同僚や上司など、ちょっと気を遣う相手にも宣言してしまうのが効果的です。
    ちなみに米国マサチューセッツ州の町の住民1万2000人を追跡した調査では、ある人が禁煙すると、その配偶者や友人、同僚など周囲の人も禁煙する傾向があることがわかっています。身近な喫煙者にも声をかけたり、SNSやネットなどで禁煙仲間とつながりをもつのもいいかもしれません。

  3. 脱・完璧主義。1本の喫煙で挫折しない
    禁煙宣言をしたのに、飲みの席や疲れたときに「1本吸ってしまった」。このたった1本がきっかけで自暴自棄となり、喫煙を再開してしまう人が少なくありません。この現象、心理学では破禁自棄効果(Abstinence Violation Effect)といいます。これは完璧主義の人ほどおちいりやすいワナかもしれません。「失敗した!」と結論を急がず、仕切り直ししましょう。

 

もし吸ってしまったとしても、次の1本には手を伸ばさないと決めて実行すること。その小さな積み重ねが、肺の生活習慣病COPDなどの病気から身を守る確かな一歩につながります。(文/麻生泰子)

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