フィリップス・レスピロニクス合同会社(本社:東京都港区、職務執行者代表取締役社長:堤 浩幸、以下 フィリップス)は、HealthSuiteを活用したクラウド型の呼吸装置治療支援プログラム「ケア オーケストレーター」を、2018年1月15日より日本国内にてサービス開始することを発表いたします。
フィリップスでは健康・医療分野におけるデジタル化とモバイル化を推進しており、HealthSuiteはその基盤として構築されたヘルスケアに特化したデジタルプラットフォームです。フィリップスはHealthSuiteを通じてヘルステック業界全体のイノベーションを加速させ、健康な生活、予防そして医療における多くの課題に対するソリューションを生み出すことを目指しています。「ケア オーケストレーター」は、このHealthSuite上で稼働する国内初のソフトウェアであり、クラウドコンピューティング環境で稼働する呼吸装置治療支援プログラムとして、厚生労働省より薬事承認を受けております。
「ケア オーケストレーター」は2016年に米国FDAの510(k)を取得し、米国内でのサービスをスタートしました。米国では睡眠呼吸障害の治療に使用されるCPAP(シーパップ)に加え、在宅・院内で使用される人工呼吸器等の使用状況管理ソフトウェアとしても「ケア オーケストレーター」が使用されております。日本国内ではまずCPAPの治療支援を目的として「ケア オーケストレーター」のサービスを開始いたします。
「ケア オーケストレーター」は、これまでさまざまなシステムに点在していた診療情報を統合管理し、診療ステップの省力化を図ることで、医療従事者の診療負荷軽減ならびに患者さんの待ち時間削減への寄与を目指しております。また、従来のクラウド型システム「アンコールエニウェア」で医療従事者の皆様よりご好評をいただいていた機能を踏襲するとともに、HealthSuiteのメリットを活かして家庭と医療機関を『つなぐ』ことによりさらに効率的・効果的なサポート、また精度の高い医療情報の提供を通じて日本の在宅医療にさらなる貢献を目指してまいります。
「ケア オーケストレーター」のシステム利用料はフィリップスより貸出される医療機器レンタル費用に含まれます。患者さんの治療機器から「ケア オーケストレーター」への接続にはこれまでお使いいただいていた通信機器が引き続き使用可能です。通信機器のレンタル料金は月額1,400円(税抜)で、これまでと同様、全国の医療機関に対してレンタルを行います。
「ケア オーケストレーター」は治療機器に専用の通信機器を組み合わせることで、毎日の機器使用状況および治療データが自動的にフィリップスのHealthSuiteに転送されます。医療従事者はWebブラウザを使用して、治療データを必要に応じていつでも閲覧可能となります。
また再診前に治療レポートの確認や印刷をあらかじめ行えるため、患者さんの待ち時間を削減するとともに医療従事者の診療負荷軽減に貢献します。
治療時間が短い、治療機器から得られるAHI*1が高い等、HealthSuiteに転送されてきた治療データが設定された基準値になった場合には、「ケア オーケストレーター」は医療従事者の専用画面にその旨を表示します。これにより治療状況が不十分な患者さんへの早期介入と改善を促します。
診療に関する資料(検査結果等)をHealthSuiteに保存しておくことで、診療情報を統合して管理することができるようになり、より少ないステップで診療を進めることが可能となります。
*1 AHI(Apnea Hypopnea Index、無呼吸低呼吸指数)1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す。
項目 | 内容 |
販売名 | ケア オーケストレーター |
承認番号 | 22900BZX00282000 |
一般的名称 | 呼吸装置治療支援プログラム |
JMDNコード | 71040002 |
クラス分類 | Ⅱ |
医療機器の別 | 管理医療機器 |
承認年月日 | 平成29年8月25日 |
製造販売業者 | フィリップス・レスピロニクス合同会社 |
項目 | 承認番号 |
ドリームステーション Auto | 22800BZX00007000 |
ドリームステーション Pro | 22800BZX00314000 |
ドリームステーション BiPAP Auto | 22800BZX00348000 |
BiPAP autoSV Advanced System One 60シリーズ | 22600BZX00073000 |
※上記以外の併用医療機器に関しては、「ケア オーケストレーター」の添付文書をご参照ください。
睡眠呼吸障害の治療方法の1つにCPAP療法があり、主に閉塞性無呼吸に対する治療方法の第一選択肢として全世界で多く用いられています。CPAP療法は、本体から呼吸回路(チューブ)と鼻マスクを介して一定の圧力を患者さんに供給します。常に一定の圧力を供給することで気道を広げ、無呼吸を治療します。
現在の医療保険制度においてはCPAP療法を受けている患者さんは原則月1回、最長でも3か月に1回の再診が求められており、その際に医療従事者によって機器使用状況および治療成果の評価が行われております。この医療保険の仕組みは新たに治療を開始した患者さんにおいても同様であり、一度治療機器が処方されると、その後約1か月の再診までの間は医療従事者による介入を受けることが困難な状況にあります。
CPAP療法は治療機器使用時の違和感などを原因として、治療を開始した患者さんのうち約30%が開始3か月以内に治療を中止しており*2、治療機器の使用方法に問題があったために治療継続に困難を感じた患者さんに対して、適切かつ迅速な介入を行うことは、患者さんの治療効果の向上および予後の改善に寄与すると考えられます。
*2 フィリップス調べ
1891年オランダで創業し、ビジネスモデル変革と長い歴史の中で培った技術と知見を生かしながら、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケアプロセス」においてイノベーションを実現してきたヘルスケア・カンパニーです。フィリップス・ジャパン(旧フィリップス エレクトロニクス ジャパン)は、超高齢者社会を迎える日本の健康と医療の問題に貢献したいと、2017年10月1日より社名を変更し、ヘルステックカンパニーとして、ヘルスケア分野の変革に取り組んでいます。今後、「病院」というプロフェッショナルな分野におけるフィリップスの先進医療機器と、パーソナルヘルスと呼ばれるオーラルヘルスケア(電動歯ブラシ)、AED、在宅呼吸器などがクラウド上で繋がり、デジタルプラットフォーム上でビッグデータが解析されることで、総合的な医療、リアルタイム分析、付加価値サービスが可能になります。これにより、人々の健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケアプロセス」において、革新的な医療ソリューションを提供し、医療従事者の皆様、患者様だけでなく、すべての人々の健康な生活への貢献を目指しています。(https://www.philips.co.jp)
フィリップス・レスピロニクス合同会社は医療機器の開発及び輸入会社として1984年に創業しました。その後は呼吸医療と睡眠医療の専門企業として、人工呼吸器やCPAP装置、そしてそれらの関連機器の輸入から供給まで一貫したサービスの提供に努めております。
フィリップス・レスピロニクス合同会社の詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.respironics.philips.co.jp/)
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニーです。健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという一連のヘルスケアプロセスを通じて、先進的なテクノロジーと、医療従事者および消費者のインサイトを基に、人々の健康を改善し良好な結果をもたらすための包括的なソリューションを提供しています。主な事業領域は、画像診断、画像誘導治療、生体情報モニタ、ヘルスインフォマティックスのみならず、パーソナルヘルスや在宅医療まで、さまざまな領域に渡ります。フィリップス ヘルステック事業の2016年の売上高は174億ユーロ、オランダを拠点に全世界に71,000人の従業員を擁し、世界100か国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。(https://www.philips.com/newscenter/)
株式会社フィリップス・ジャパン コミュニケーション担当