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9月29日は、心血管疾患について考えるWorld Heart Dayです。心停止を起こしたとき、地域の人たちが「救急チーム」となって命を救う――そんな安心のまちづくりをみんなで考えてみましょう。

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心臓突然死の7割は自宅。ご自宅の近くにAEDはありますか?

 

日本では1日に約200人の人が心臓突然死で亡くなっていますが、その約7割は住宅で起きていることはご存じでしょうか?*1 心臓が停止すると、1分経過するごとに救命率は10%ずつ低下していきます*2。そのため、命を救うには居合わせた人が即座に119番通報して胸骨圧迫を始め、3〜5分以内にAEDを実施できることが重要なのです。ご自宅の近くにAEDはありますか? AEDを取りに行くまで何分かかりますか? そこは、夜間であっても取り行ける場所ですか? 


自宅周辺のAEDアクセシビリティの実態を把握するべく、フィリップスでは「AEDに関する調査2023」をインターネットで実施し、全国2,719人の方にお答えいただきました。アンケートには「心臓突然死が起きているのは自宅が最も多い」という事実を知っているかどうかも質問に加えましたが、「知っている」と答えた人は全体の3割で、7割の人が「知らなかった」と答えました(表1)。


商業施設や交通機関など人が多く集まるエリアのAED設置は浸透してきましたが、実際は心臓突然死が起こるリスクは住宅街や集合住宅などの住まいエリアが多く、救命のためのAED設置や対策が急がれています。皆さんもご自宅周辺や地域のAED設置場所を思い浮かべながら、今回のアンケート結果を一緒に検証していきましょう。

心臓突然死は住宅での発生が最多

「3分以内・24時間アクセスできるAED」が必要

 

安心・安全なまちづくりには、24時間365日身近にAEDがあることが欠かせません。〈自宅から一番近いAED〉を聞いた質問では、1位は「近くの医療機関」、2位は「お住まいの集合住宅の共有部分」、3位が「近くのコンビニ」でした。一方、「見つからない」と答えた人も266人(約10%)にのぼりました。


ところが、〈24時間取りに行けるAED〉という条件になると、「医療機関」と「近くのコンビニ」が入れ替わり、コンビニが1位になりました。AEDが建物内に設置されていると、施設の営業時間によっては取りに行けない時間帯が生じます。その点、24時間営業のコンビニは、いつでもAEDにアクセスできる利点があります。


最近では、自治体が地域のコンビニと提携し、AED設置を推進しているケースも増えているようです。また、夜間や休日にAEDアクセシビリティが低下する現状を社会の解決すべき課題ととらえて、施設外のAED設置を呼びかける〈AED24:屋外設置ネットワーク〉活動を展開する熊本市のヒコデンタルクリニックの取り組みもあります。

「AEDを3分以内に取りに行ける」は戸建てでは1割

 

心停止後は1分ごとに救命率は10%ずつ低下していくため、AEDを3〜5分以内に実施することが救命率・社会復帰率を高めるためには重要です。〈AEDを取りに行く時間〉を聞いた質問では、「3分以内」と答えた人は18%にとどまり、24時間取りに行ける条件になると13%に低下しました(表2、3)。

自宅から最寄りのAEDまでの所用時間
自宅から最寄りのAEDまでの所用時間

さらに、住居形態で比較すると、集合住宅と戸建てでは対照的な結果となりました。集合住宅では「3分以内」にAEDがあるのが25%(24時間では21%)にのぼった一方、戸建ては「3分以内」はわずか12%(24時間では7%)でした。


ちなみに、今回のアンケートで、集合住宅に住むと答えた1,207人のうち、共有部分にAEDが設置されていると答えた人は399人で、集合住宅のAED設置率は約3割という結果でした。地域や集合住宅のAED設置については「自治会でAED購入に向けて、市の補助金申請を準備中です」(40代男性)、「住んでいるマンションにAEDが設置されたのは、私が管理組合の理事をしている時に提案したからです」(70代男性)、「住まいのマンションでは、地域の方々も使えるようにAEDの設置予定です」(70代女性)などのコメントが寄せられており、住民のアクションや働きかけが大きく貢献してきたことが見えてきました。


また、ご自宅にAEDがあると答えた人も全体で15人いました。日本でライフセービングを普及させた中央大学の小峯力教授は、地域住民のために自宅にHOME AEDを設置する一人です。


戸建ての場合、とくに低層住居専用地域などの住宅街であれば、周辺の商業施設や企業も少ないと考えられます。公民館のAED設置や、個人宅での家庭用AEDの配置など、地域や自治体で対策を考えていく必要があるかもしれません。

Heart safe cityの日(9月29日)は、AED探しの日

 

日本はAED使用率が4.1%と低い現状があります*3。心臓突然死を予防するには、地域でAEDアクセシビリティを向上させていく取り組みはもちろんのこと、一人ひとりが命を救う行動をすばやく起こせる知識や心構えを身につけていくことも大切です。


〈AED使用率を高めるために必要なこと〉の質問については、もっとも多かったのが「学校教育でのAED体験学習」(1,763人)でした。続いて「地域・自治体でのAED体験会」(1,581人)、「勤務先でのAED体験学習」(1,477人)という回答結果でした(表4)。

日本でのAED使用率を高めるために

今回のアンケートに寄せられた感想では「自治体レベルで取り組んでほしい」(40代男性)、「子供がスポーツに参加している保護者同士や、職場で講習を増やすべき」(50代女性)、「自治会の集会で体験型講習会を開きたい」(30代女性)など普及に向けた前向きなコメントが数多く寄せられました。できるだけ日常生活に近い場で、子どもの頃からAEDを知る・触れる機会を増やすとともに、人を助ける勇気の尊さを伝えていくことが、日本のAED使用率を向上させるカギになっていくかもしれません。

 

9月29日はWorld Heart Dayです。グローバルで心血管疾患予防キャンペーンを展開する日で、スイスにある世界心臓連合(WHF)によって定められました。フィリップス・ジャパンでは、この日を安心・安全のまちづくりを呼びかける日として「Heart Safe Cityの日」に2018年に制定しています。


World Heart Dayは、ご自身やご家族、地域の皆さんで近くのAEDを探してみませんか? 最短ルートや所要時間を把握しておくと、もしものときに、すばやく落ち着いて行動が起こせます。さらに、どう行動したらいいのかを身近な人と話し合っておくことも、いざというときに役立ちます。大切な人のために、そして、自分自身のために、誰もが一歩を踏み出せるHeart Safe Cityづくりを進めていきましょう。(文 / 麻生泰子)


アンケート概要:

フィリップス「AEDに関する調査2023」

期間:2023年8月3〜20日

方式:インターネット

回答数:2,719人


*1・3 「令和4年版 救急・救助の現況」総務省消防庁

*2 総務省消防庁「平成30年版 消防白書」

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