寝室パートナーのいる女性の約9割が「相手のいびきが気になる」と感じていることがフィリップスのいびき調査でわかりました。夫婦関係や健康の問題にも発展しかねない“いびき”の現実とその対策とは?

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寝室は“いびき”の無法地帯だった!?


怪獣、トド、地鳴り、暴走族、チェーンソー、地球が割れる音――いったい、何の音の例えだと思いますか?じつはこれ、寝室パートナーの「いびき」を表現した言葉なのです。フィリップスでは、MyPhilips会員様を対象に「いびきに関するアンケート調査」を実施しました。5002名もの方からご回答いただき、驚くべき実態があきらかになりました。


5002名中、3011名が配偶者やパートナーと寝室をともにしていましたが、「同室のパートナーのいびきが気になる」という人が、半数以上の57%にのぼっていたのです。女性だけにかぎると87%です。つまり、寝室パートナーのいる女性の約9割は、パートナーのいびきに悩まされていたのです。


もちろん、いびきをかく側も無自覚というわけではないようです。自分のいびきが「パートナーの睡眠に影響を与えていると感じている」人は95%にのぼります。げっぷや咳、いびきは生理現象といえども、人前ではできるだけ控えるのがエチケットです。しかし、いびきは、本人が無意識なときに発生するので、気をつけても「治しようがない」と多くの人があきらめて、なかば放置されてきた寝室の問題だったのです。

いびきを表現する言葉

親しき仲にも礼儀あり。いびきはエチケット違反!?

 

寝室の作法について取り上げた本として、もっとも古いとされるのが1625年にフランスのルイ・ギヨン博士が書いた『さまざまな忠告』です。博士はベッドを夫婦の諍いが起こりやすい場として「夫婦のどちらかが、ベッドのなかであまり多くの場所を占めるのはよくない。夜中に相手を起こして、話しかけるのは無作法で、とりわけいびきをかくのはもっとも下品である。もしこのようないなや癖のある者は(中略)仰向けになって寝ないように努めるとよい」と具体的な対策まで提案しています。


ギヨン博士が、寝室の作法を記した時代は、ヨーロッパでマナー・エチケット本が多く出版され、市民に広く読まれていきました。そもそも、現代でいう“エチケット”という言葉が使われ始めたのは、ルイ14世の時代のフランス・ヴェルサイユ宮殿。当時の王侯貴族は、青空の下で用を足す習慣があり、宮の庭園が踏み荒らされたので、園芸師が通路を示す「立札」(エチケット)を立てたのがその始まり。以来、「エチケット(立札)にしたがう」という習慣が生まれ、エチケットという言葉に礼儀作法の意味が加わったとされています。


ちなみに、マナーもエチケットも礼儀作法ですが、マナーは社会的に望ましい言動や態度であり、自分をよりよく見せる意味もあります。一方、エチケットは相手を不快にさせない気配りであり、相手への思いやりをあらわすたしなみなのです。

 

いびきが引き起こす深刻な健康問題


時は変わって現代、いびきは依然として、夫婦やカップルの関係性をゆるがしかねない問題であることがわかりました。しかも、双方にとって深刻な健康問題をもたらすリスクが高いことが、医学的にも解明されてきています。


いびきが日常的で、他人から指摘されるほどの騒音である場合、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、以下SAS)という病気が疑われます。SASは睡眠中に呼吸が停止してしまう深刻な病気で、いわば“呼吸不全”の状態です。重症のSAS患者の就寝中の血中酸素飽和度は、酸素濃度のごく薄いエベレスト山頂にいるときと同程度になることもあるほどです。


SASによって日中の眠気、注意力や記憶力の低下が生じ、仕事上のミスや事故が起きやすくなるとされています。さらに、SASが重症化すると、健常人と比べて、高血圧は2.89倍*1、夜間心臓突然死は2.57倍*2、脳卒中・脳梗塞は1.97倍*3もリスクが高まると報告されています。SASが疑われる場合、病院を受診して、治療を受けることが先決です(簡易セルフチェックはこちら)。


ちなみにいびきをかきやすい人もいます。肥満気味、あごが小さい、首が短く太い人は、上気道まわりがせまくなりやすく、いびきをかきやすいといわれます。また、男性の方がいびきをかく傾向にありますが、閉経後の女性は、いびきを防ぐ作用がある女性ホルモンが減ることでいびきをかきやすくなります。


いびきに悩まされる側も、健康被害を被ります。睡眠中にいびきで起こされたり、眠りが浅くなることが慢性化すると、睡眠不足から心身のさまざまな不調を引き起こすのです。


今回のフィリップスの調査でも「同室のパートナーのいびきを改善してほしい」と答えた人は96%で、切実な悩みとなっていることがわかります。ちなみに、この調査では、配偶者やパートナーと寝室を別にしている人は22%、1083名にのぼりました。その最大の原因が「いびき」だったのです。

パートナーと寝室を別にしている理由

いびきの悩みを解決に導くアイデアの数々

 

たかが「いびき」とあなどることなかれ。いびきは、家庭不和まで引き起こしかねない重大な問題だったのです。ちなみに、アメリカでは夫婦が寝室を別にすることをSleep Divorce(睡眠離婚)と呼び、夫婦の危機的状況ととらえています。


ちなみに、先ほどルイ・ギヨン博士が、いびきの解消法として「仰向けになって寝ないように努めるとよい」とアドバイスしていました。いびきのメカニズムは、喉の奥にある軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)、舌根、喉頭蓋などが重力で下に沈み込み、上気道(空気の通り道)が塞がる、または狭くなることで起こります。たしかに、仰向けに寝ないことは、対処療法の一つとして理にかなっているのです。


いびき対策グッズとして一般的によく見られるのは、口を封じるテープや顎を固定するバンド。あるいは、クッションを背に当てて横向きにさせる枕などですが、最近では、睡眠時の寝姿勢をセンサーが感知してくれる睡眠デバイスも登場しています。睡眠中に仰向けになると微細な振動が生じて、自然と横向きになるように促してくれます。


数百年、いやおそらくそれ以上にわたって、人類を悩ましてきた“いびき問題”ですが、睡眠デバイスなどの登場で、いよいよ解決に向けた一歩を踏み出すことができるかもしません。(取材・文/麻生泰子)

出典

フィリップス「いびきに関するアンケート」調査時期2021年5月、回答数5,002名

*1  Peppard, N Engl J Med 2000;342:1378-84. Wisconsin Sleep Cohort Study AHI>15

*2  Gami A, N Engl J Med .2005

*3  Yaggi HK , N Engl J Med .2005


参考文献

春山行夫『エチケットの文化史』平凡社

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