株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、 代表取締役社長:堤 浩幸、 以下 フィリップス)と医療法人慈公会 公平病院(所在地:埼玉県戸田市、病院長:公平 誠、以下 公平病院)は、慢性疾患患者や移動制限のある高齢者に対する長期的かつ定期的な疾患管理のため、オンライン診療をサポートする新しいヘルスケアモビリティを共同で開発、2022年2月より運用を開始しました。今後は、実証を進めながら診療領域を検討・拡大させ、平時だけでなく有事にも対応できるように地域の医療ニーズに柔軟に対応していきます。
公平病院は、地域のかかりつけ病院としてプライマリーケアから緩和ケアにいたる包括的な診療を提供しています。外来・入院だけでなく在宅診療にも取り組み、専門医によるがんや糖尿病などの疾患管理やヘルスケアプロフェッショナルによる生活習慣の改善にも力を入れています。しかし、長期的・定期的な疾患管理が不可欠であるにもかかわらず、仕事が忙しくて時間が取れない方、移動制限のある高齢者など、通院が困難な方は決して少なくありません。患者家族にとっても、一日がかりになってしまう通院の付き添いには大きな負担がかかるため、負担軽減の必要性が求められていました。また、そのような患者への一助となるオンライン診療ですが、インターネットやスマートフォンの利用が難しい高齢者も多くいるため普及には時間を必要としています。 そこでフィリップスと共に、看護師がヘルスケアモビリティで患者宅を訪問し、オンラインで患者と病院にいる医師をつなぐことで診療が受けられるD to P with N(Doctor to Patient with Nurse)による仕組みづくりに至りました。開発途中には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による受診控えが顕著になるなど、より一層の「通院」に対する問題解決が求められました。 まずは定期的疾患管理が重要となり、新型コロナウイルス感染症重症化のハイリスク患者でもある慢性疾患患者や高齢者を中心に運用を開始し、今後は地域の医療ニーズに臨機応変に対応していきます。フィリップスと公平病院は、患者が自身の生活している場所で医療を受け続けていけるように、新たな医療提供の選択肢を増やしていくことで誰も取り残さない医療を実現し、地域医療課題や社会課題に取り組んでいきたいと考えています。
フィリップスのヘルスケアモビリティ事業では、2019年に長野県伊那市、2020年に青森県青森市と協業し、医療MaaSを開発しました。3台目となる今回の「公平病院モデル」は、病院所有の車であること、都市部での運用であることが特長として挙げられます。 実際に診療を行っている医療従事者が直面している課題の把握がスムーズであること、またその課題解決にいたる決定スピードも速く、さらには得られたデータを病院側で活用でき、臨床的なエビデンスとして示すことも可能です。また、看護師が運転しやすいようにファミリーカーサイズの車両を導入することで、利便性も高まりました。遠隔聴診器、看護師の視線を医師が遠隔で確認できるウェアラブルカメラを導入し、より対面での診療に近づける工夫を施しました。また、平時だけでなく有事の車両利用が期待され、災害時には避難所などでの診療対応も可能にするため、フィリップスのAED「ハートスタートFRx」、生体情報モニタ「IntelliVue MX100(インテリビュー)」、携帯型超音波診断装置「Lumify(ルミファイ)」なども搭載、給電システムを備えたハイブリッド車にすることで、診療に必要な電源の確保も可能にしました。
フィリップスと公平病院は、戸田市全域の健康寿命の延伸や健康まちづくりに向けた取り組みを推進してまいりましたが、このたび、戸田市をお迎えし、今後は三者でさらなる地域医療課題や社会課題に向けた施策を展開していく予定です。 戸田市は、物流の街として知られており、コミュニティバスも細かく張り巡らされています。ヘルスケアモビリティで患者宅を訪問するにもアクセスしやすく、また物流・交通網が発達している都市だからこそ、既にあるインフラ網を活用した新しいMaaSを活用したソリュー ション展開が期待されます。
埼玉県戸田市 戸田市長 菅原 文仁 氏 は以下のように述べています。 「東京都に隣接する戸田市は現在も人口増加が進んでおり、埼玉県内で平均年齢が最も若いという地域特性があります。一方、今後急速に高齢化が進むことが予想されており、地域医療体制の充実・強化が必要不可欠であると考えています。戸田市は、この医療MaaSの取り組みが地域医療の可能性を広げると考えており、まずは公平病院で運用を開始するモビリティの実証に参画し、今後は3者間で協議を重ね、互いのリソースを最大限に活用しながら、地域医療体制の充実を推進していきます。」 公平病院 病院長 公平 誠 は以下のように述べています。 「誰も取り残さない医療を実現するためには、医療アクセスへの多様な選択肢を患者に提供する必要があり、その一つがヘルスケアモビリティだと考えています。病院のある戸田市は今後10-20年で高齢化を迎え、今以上の医療課題に直面していきます。未来の地域医療を見据えて今から取り組み実証を重ねることで、来るべき医療課題に柔軟に対応してまいります。」 株式会社フィリップス・ジャパン 代表取締役社長 堤 浩幸 は以下のように述べています。 「公平病院と開発した本車両は平時にも有事にも活用できる新たなモデルとなりました。開発には、車両本体、内外装架装、車両機器、ITシステムなどを各病院や自治体のニーズに合わせていかようにも組み合わせることができるため、ヘルスケアモビリティはとても汎用性の高いソリューションだと考えます。今後も引き続きモビリティを起点とした地域医療に貢献してまいります。」
車両画像
フィリップスのヘルスケアモビリティ事業について フィリップスは、従来提供しているヘルスケア領域でのソリューションとモビリティを掛け合わせることで、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケア・プロセス」におけるイノベーション実現を加速していきます。フィリップスのヘルスケアモビリティ事業では、モバイルとモビリティを掛け合わせることによって、画一化・固定化されたヘルスケアサービスから動的かつ最適配置が可能なヘルスケアサービスへ変革します。その結果、医療機関と自宅をつないだ一貫性のあるヘルスケアサービスを実現することにより、健康寿命の延伸や健康まちづくりに貢献していきます。
薬事承認事項
販売名 | ハートスタート FRx |
医療機器承認番号 | 22000BZX00305000 |
一般的名称 | 半自動除細動器 |
JMDNコード | 37805000 |
クラス分類 | Ⅲ(高度管理医療機器) |
承認年月 | 2008年4月 |
製造販売業者 | 株式会社フィリップス・ジャパン |
販売名 | 生体情報モニタ IntelliVue X3/MX100 2nd |
医療機器承認番号 | 23100BZX00080000 |
一般的名称 | 重要パラメータ付き多項目モニタ |
JMDNコード | 33586003 |
クラス分類 | Ⅲ(高度管理医療機器) |
承認年月 | 2019年3月 |
製造販売業者 | 株式会社フィリップス・ジャパン |
販売名 | 超音波画像診断装置 Lumify |
医療機器認証番号 | 302AFBZX00043000 |
一般的名称 | 汎用超音波画像診断装置 |
JMDNコード | 40761000 |
クラス分類 | Ⅱ(管理医療機器) |
認証年月 | 2020年4月 |
製造販売業者 | 株式会社フィリップス・ジャパン |
フィリップス・ジャパン(旧フィリップス エレクトロニクス ジャパン)は、超高齢者社会を迎える日本の健康と医療の問題に貢献したいと、2019年4月1日よりフィリップス・レスピロニクス合同会社と統合し、ヘルスケア分野の変革に取り組んでいるヘルステックカンパニーです。今後、病院で使用されるフィリップスの先進医療機器やパーソナルヘルスと呼ばれるオーラルヘルスケア(電動歯ブラシ)、AED、在宅呼吸器などがクラウド上で繋がることで、人々の健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケア・プロセス」において、革新的な医療ソリューションを提供していきます。医療従事者の皆様、患者様だけでなく、すべての人々の健康な生活への貢献を目指します。(https://www.philips.co.jp/a-w/about/news/home.html)
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニーです。健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという一連のヘルスケア・プロセスを通じて、先進的なテクノロジーと、医療従事者および消費者のインサイトを基に、人々の健康を改善し良好な結果をもたらすための包括的なソリューションを提供しています。主な事業領域は、画像診断、画像誘導治療、生体情報モニター、ヘルスインフォマティックスのみならず、パーソナルヘルスや在宅医療まで、さまざまな領域に渡ります。フィリップス ヘルステック事業の2020年の売上高は173億ユーロ、オランダを拠点に全世界に77,000人の従業員を擁し、世界100ヵ国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/)
地域密着型の小規模病院でがんと糖尿病領域に軸足を置きつつプライマリーケア全般を提供する病院です。民間かつ小規模の機動性を武器に新しい事業にスピード感を持って取り組み、地域医療をアップデートし続けています。2021年8月末より、コロナ禍での課題解決として民間としては最大規模のコロナ専門病院の運営をスタートし、新型コロナに対するトータルケアを提供する唯一の病院として地域のコロナ診療を牽引しています。地域医療が抱える課題に対し、価値ある医療をスピーディーに提供し、成長し続ける病院を目指しています。(https://kodaira.life/)
株式会社フィリップス・ジャパン コミュニケーション担当