株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:堤 浩幸、以下 フィリップス)は「2030年までに30億の人々の生活を向上させる」をビジョンに掲げ、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアにいたるヘルスケア・プロセスのすべてにイニシアティブを持ち「もっと健やかな未来へ」をコンセプトとして、すべての人の健康に貢献していきたいと努めております。 フィリップスは2020年3月26日、大径ソリッドコア構造を採用したOmniWireプレッシャーガイドワイヤ(以下OmniWire)の薬事承認を取得しました。狭心症や心筋梗塞等の冠動脈疾患診断における血管内圧測定をより効率的に実施するため、OmniWireは操作性向上を目的に開発された大径ソリッドコア構造を採用しています。昨今の医療現場を取り巻く環境を鑑み、医療従事者の健康・安全面を考慮しつつ、段階的に上市を行う予定です。 OmniWireは、血管拡張剤不要な安静時指標iFR(瞬時血流予備量比)が測定可能なプレッシャーガイドワイヤです。iFRは4,500人を超える患者データに基づいた大規模臨床研究で検証されており[1,2]、日本循環器学会(JCS)、欧州循環器学会(ESC)、循環器血管造影・インターベンション学会(SCAI)、および米国心臓病学会(ACC)で使用が推奨されています[3-5]。
従来のプレッシャーワイヤは、中空の非常に薄い金属管(ハイポチューブ)の中に血管内圧を伝達する導線とコア(芯)が収納されているため、手技中のワイヤ操作に難渋したり、キンク(折れ)が生じたり操作性に課題がありました。OmniWireの大径ソリッドコア構造では、導線を外側のポリマー層に埋め込むことで血管内圧の伝達を実現しました。コア(芯)のワイヤ先端(遠位)側では複雑症例や多枝病変にも耐えられるように、一般的なガイドワイヤに使用される形状記憶性の高いナイチノールを、ワイヤ手元(近位)側ではプッシャビリティ向上のために高強度のコバルト合金を採用しました。
また、昨年発売された新世代 超音波イメージング・血管内圧測定診断装置IntraSightとも互換性があり、血管内治療支援システムSyncVisionとの組み合わせにより、血管造影画像にiFRデータを同期して、治療を要する血管の部位を正確に把握するiFR Co-registrationが可能になります。Philips Image Guided Therapy Devices部門シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのクリス・ランドンは次のように述べています。「SyncVisionではiFR測定値をアンギオ画像に同期し統合することが可能です。そしてOmniWireのワイヤ性能とSyncVisionを組み合わせることで、冠動脈疾患診断の手技において高度なソリューションを提供します。OmniWireによって、複雑病変や多枝病変に対して生理学的評価に基づいたガイダンスを行う臨床医に自信をもたらします。当社は、OmniWireの導入によりシステム、スマートデバイス、ソフトウェア、サービスからなる独自のポートフォリオを確立し、医療従事者の手技に対応した高度なソリューションを提供します」
OmniWireは、臨床的に証明されたiFR、FFR(冠血流予備量比)、IVUS(血管内超音波検査)が測定可能なIntraSight、iFR Co-registrationが可能なSyncVisionとの併用により、複雑なインターベンションの簡便化と、スピーディーな日常診療の実現に貢献します。また、iFRプルバックとiFR Co-registrationを組み合わせることで、病変部位の特定、ステント位置と長さの決定(バーチャルステンティング)、虚血改善の予測が可能となります。
[1] Davies JE, et al., Use of the Instantaneous Wave-free Ratio or Fractional Flow Reserve in PCI. N Engl J Med. 2017 May 11;376(19):1824-1834. [2] Gotberg M, et al., iFR-SWEDEHEART Investigators.. Instantaneous Wave-free Ratio versus Fractional Flow Reserve to Guide PCI. N Engl J Med. 2017 May 11;376(19):1813-1823. [3] 2018 ESC/EACTS Guidelines on myocardial revascularization: The task force on myocardial revascularization of the European society of cardiology (ESC) and European association for cardio-thoracic surgery (EACTS). Eur Heart J. 2018;00:1-96. [4] Lofti A, et al. Focused update of expert consensus statement: Use of invasive assessments of coronary physiology and structure: A position statement of the society of cardiac angiography and interventions. Catheter Cardiovasc Interv. 2018;1–12. [5] ACC-SCAI recommendation letter for Volcano iFR CPT coding (93571, 93572).
フィリップス・ジャパン(旧フィリップス エレクトロニクス ジャパン)は、超高齢者社会を迎える日本の健康と医療の問題に貢献したいと、2019年4月1日よりフィリップス・レスピロニクス合同会社と統合し、ヘルスケア分野の変革に取り組んでいるヘルステックカンパニーです。今後、病院で使用されるフィリップスの先進医療機器やパーソナルヘルスと呼ばれるオーラルヘルスケア(電動歯ブラシ)、AED、在宅呼吸器などがクラウド上で繋がることで、人々の健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという「一連のヘルスケア・プロセス」において、革新的な医療ソリューションを提供していきます。医療従事者の皆様、患者様だけでなく、すべての人々の健康な生活への貢献を目指します。(https://www.philips.co.jp/a-w/about/news/home.html)
ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニーです。健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアという一連のヘルスケアプロセスを通じて、先進的なテクノロジーと、医療従事者および消費者のインサイトを基に、人々の健康を改善し良好な結果をもたらすための包括的なソリューションを提供しています。主な事業領域は、画像診断、画像誘導治療、生体情報モニター、ヘルスインフォマティックスのみならず、パーソナルヘルスや在宅医療まで、さまざまな領域に渡ります。フィリップス ヘルステック事業の2018年の売上高は181億ユーロ、オランダを拠点に全世界に80,000人の従業員を擁し、世界100ヵ国以上でビジネスを展開しています。フィリップスに関するニュースはこちらからご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/)