株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:堤 浩幸、以下 フィリップス)は「2030年までに30 億の人々の生活を向上させる」をビジョンに掲げ、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアにいたるヘルスケア・プロセスのすべてにイニシアティブを持ち「もっと健やかな未来へ」をコンセプトとして、すべての人の健康に貢献していきたいと努めております。
このたびフィリップスは、超音波診断装置EPIQに搭載可能な心機能解析ソフトウェア 「AutoStrain LV」「AutoStrain RV」「AutoStrain LA」「3D Auto RV」「4D Mitral Valve Assessment」、および小型コンベックス・トランスジューサ「mC7-2」の販売を7月3日より開始します。
右心機能は肺高血圧の評価のみならず、成人先天性心疾患や心臓弁膜症、左心不全の予後規定因子になるという報告があり、日常臨床での評価が治療方針の決定に有用であると考えられています。特に先天性心疾患は、2000年に小児と大人の患者数がほぼ同じ割合になりました。そして2020年には大人になった先天性心疾患患者が小児を超え、さらに重症の複雑性先天性心疾患患者が著しく増えると予測されています。1
[1] 成人先天性心疾患の最近の動向と今後の方向性 著者:丹波公一郎
Shiina Y, et al: Prevalence of adult patients with congenital heart disease in Japan. Int J Cardiol, 146:13-16, 2011
現在、右心機能評価にはMモード法による三尖弁輪収縮期移動距離(以下、TAPSE)や、組織ドプラ法による三尖弁輪収縮期移動速度(S’)などがあります。しかし、これらの計測方法は、超音波入射角と三尖弁輪の移動方向が乖離する場合や心臓全体の動きが顕著な場合計測誤差が生じ、TAPSEについては心臓の大きさにも影響を受けるといわれています。そこで、これらの問題点を克服する右心機能評価法としてストレイン法が注目されています。AutoStrain RVは、従来法の問題点を克服し、短時間に再現性の高いストレイン解析をしていただけるツールです。さらに、3D Auto RVを用いることで、右室容積の定量評価も自動で行うことが可能になります。AutoStrain LV/RV/LAはASE/EACVIスペックルトラッキングTask Forceの推奨に準拠しています。2
[2] Jens-Uewe Voigt, et al. Definitions for a common standard for 2D speckle tracking echocardiology: consensus document of the EACVI/ASE/Industry Task Force to standardize deformation imaging. Eur Heart J Cardiovasc Imaging 2015; 16, 1-11. doi:10.1093/ehjci/jeu 184
[2]Badano LP, et al. Standardization of left atrial, right ventricular, and right atrial deformation imaging using two-dimensional speckle tracking echocardiography: a consensus document of the EACVI/ASE/Industry Task Force to standardize deformation imaging. Eur Heart J Cardiovasc Imaging. 2018 Jun;19(6):591-600. doi: 10.1093/ehjci/jey042.