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9 28, 2023

20〜30代の歯周病が増えている⁉︎歯科医が教える〈歯周病を予防する3つのケア〉

 

「30代の約3人に1人が歯周病になる」といわれますが、日頃のお手入れ次第で予防することが可能です。正しいデンタルケアを知り、健康な歯を維持するケアの秘訣を歯科医・歯学博士の照山裕子先生に聞きました。

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30代の約3人に1人が歯周病になる――その原因とは?

 

歯科疾患実態調査によると、毎日歯を磨く人の割合は約95%に上っています*1。じつに9割以上の人が歯磨き習慣があるのに、30代の約3人に1人、60代では約3人に2人が歯周病(4mm以上の歯周ポケットを有する)になっているのが現状です*1。なぜでしょうか? その大きな原因は、ほとんどの人が「間違った歯磨き」をしているからです。


私も多くの患者さんの歯磨き指導をしてきましたが、適切に磨けていたのは10人のうち1人ほどです。どうやら、日本人は“歯磨き好きの歯磨き下手”が多いようなのです。


また、若年層の虫歯が減少している一方で、20〜30代の歯周病が増加傾向にあることも見逃せません*1。歯を失う原因の第1位は歯周病*2。せっかく虫歯ゼロだったのに、歯周病で歯を失っては元も子もないですよね。歯周病にかかると、口から全身に歯周病菌が入り、さまざまな病気を引き起こしやすくなります。〈歯周病を予防する3つのケア〉を始めることは、歯と全身の健康を守り、コミュニケーション向上にもつながるのです。

歯科衛生士の水野真利さん

〈歯周病を予防する3つのケア〉を始めよう

 

〈歯周病を予防する3つのケア〉の基本として、私が推奨するのは「ブラッシング」「水流うがい」「舌磨き」です。この3つのステップを解説していきましょう。


Step1 小刻みと角度が決め手「ブラッシング」

ほとんどの日本人が「間違った歯磨きをしている」とお伝えしましたが、最後に歯磨きを習ったのはいつでしょうか? もし、子どものときの記憶しかないなら、あなたのブラッシング方法は間違っている可能性大。子どもはグーの手で歯ブラシを握り、2〜3本ずつ円を描くように磨いていくのが基本です。これは力が弱く、手先が器用でない子ども向けの磨き方。大人になってもこの方法だと、磨き残しが出やすい上に歯ぐきを傷つけ、歯ぐきを下げる原因となり、知覚過敏を引き起こすオーバーブラッシング(磨きすぎ)にもなりかねません。


大人は、力が入りすぎないようにするために、鉛筆を握るように歯ブラシをもつのが基本です。そして、2〜3mmずつ横に小刻みに動かしていきます。歯と歯ぐきの境目はブラシを45度に傾けて、ていねいに磨きます。健康な歯ぐきは歯周ポケットが1~2mm程度なので、歯ブラシの毛先を押し込みすぎないように、注意が必要です。 

 

1本の歯につき20回ぐらい磨くのが目安とされ、お口全体では5分間以上かかります。あわただしい朝や疲れて帰ってきた夜も、ラクしてしっかり磨きたい人におすすめなのが、電動歯ブラシです。繊細な力のコントロールが不要で、ブラシを歯に当てるだけで高速振動のブラッシングができるので、誰でも「歯磨き上手」になれます。また、お口全体を2分間ほどで磨けるので時短にもなります。私も愛用していますが、もはや朝晩の歯磨きには欠かせない存在になっています。


忙しい大人はもちろん、お子さんも1日も早く正しい歯磨きを始めるに越したことはありません。自分の歯を自分で徹底的にきれいにすることを、小さいうちから習慣化することが大切なのです。また、歯磨き剤やマウスウォッシュなども年齢や口腔環境に合ったものを使い分けることが大切です。

 

Step2 歯垢になる前に洗い流す「水流うがい」

ブラッシングを終えたら、軽くうがいするだけで完了していませんか? せっかくブラッシングで歯垢や食べカスを落としたのに、そのまま口の中にとどまらせては効果半減です。しっかり洗い流すために、うがいを徹底してください。うがいのコツは「速く強く」。おちょこ1杯分(約30ml)ほどの水を口に含んだら、7秒間で10回ほどの高速スピードで、上下の歯に水流をぶつけるようにしてお口をゆすいでください。さらに細部まで徹底するなら、ピンポイントで洗い流してくれる口腔洗浄器を使うのもおすすめです。


もちろん、フロスも歯間にこびりついた歯垢や食べカスをとるためにマスト。ただし、食後のブラッシングやうがいを徹底することで、食べカスが細菌のエサになる前に取り去ることを意識してください。


Step3 菌と口臭の原因を取り除く「舌磨き」

歯磨きの盲点となりやすいのが「舌」です。歯に付く歯垢と同じように、舌苔(ぜったい)という汚れが付着します。唾液が十分に分泌されていれば洗い流されますが、緊張や疲れ、薬剤の影響で口が乾いていると舌苔がたまって菌の温床や口臭の原因になります。


歯磨きの最後には、舌を出してチェックする習慣を。いつもより白っぽくなっているときは、舌磨きのタイミング。舌専用ブラシやガーゼを指に巻いて、舌全体をやさしく拭きます。舌磨きは、朝起きたときもおすすめ。睡眠中は唾液量が減って舌苔がたまりやすくなり、そのままにしていると口臭のもとになるからです。日頃会話が少なく、あまり舌を動かさない方は特に舌苔が付きやすいので注意しましょう。

丁寧なブラッシングが虫歯予防の基本

お気に入りツール選びはデンタルケアを楽しくする

 

歯周病の症状は、はっきり自覚しないまま進行していきます。いくつかある症状の中でも、「歯ぐきの出血」はわかりやすい兆候です。出血するということは、悪さをする菌を排除しようと体が必死に戦っている状態といえます。歯周病が進行するだけでなく、体力(免疫力)が奪われてさまざまな疾患にかかるリスクが高まります。歯周病の初期である軽い歯肉炎レベルならば、毎日のブラッシングで改善することも可能なので、早め早めのケアが肝心なのです。


歯周病や虫歯のチェックは、歯科医院でなければできないものです。また、自分に合ったブラッシング法やツールの選び方を知るうえで、デンタルケアのプロである歯科医師、歯科衛生士の指導はとても重要です。自分の歯を守るには、セルフケアに加えて、3ヶ月~半年ごとの定期検診を両立させることが不可欠です。


セルフケアを継続するうえで大切なのは「ケアを楽しむこと」です。「今日はコーヒーやお茶を飲んだから、ステイン(着色汚れ)を落としてあげよう」「起きたとき口の中がネバネバしていたから、ミント系のマウスウォッシュでスッキリしょう」とお気に入りを揃えて、毎日を気持ちよく過ごすためのコンディションづくりに直結させていくと、オーラルケアがどんどん楽しみになっていきます。


お口の中はケアを頑張ったぶんだけ、歯がツルツルにきれいになったり、歯ぐきが健康なピンク色に変わってきたりと、目に見えて結果を返してくれる部位です。日常生活でも、笑顔や会話に自信がもてるなど良いことづくし。歯のケアは自分にしかできないもの。一生のパートナーである歯のケアを楽しんでいただけたらと思います。(取材・文/麻生泰子)

 

*1  厚生労働省「歯科疾患実態調査」平成28年

*2  公益財団法人8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査」2018年

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