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tips for brushing teeth

5 20, 2023

歯磨きは徹底するほど楽しくなる⁉︎歯科衛生士が教える歯磨き習慣の秘訣

 

歯磨きは面倒? 楽しい? ブラッシング習慣を見直し、歯磨きを楽しくする秘訣を、歯科衛生士の二見梨江さん(紀尾井町プラザクリニック)、水野真利さん(表参道MJMデンタルオフィス)に聞きました。。

tips for brushing teeth

よい歯ブラシの条件は「ヘッド」「毛先」「毛の硬さ」

 

――毎日のデンタルケアの主役となる歯ブラシですが、いろいろな種類があって迷ってしまいます。デンタルケアのプロである歯科衛生士さんが考える「よい歯ブラシ」の条件とは?


二見 種類がありすぎるゆえに、かえってご自分に合った歯ブラシを選べていない人が多いと感じます。クリニックでも初診の患者さんには、歯ブラシの選び方からお伝えすることがとても多いですね。


水野 間違った歯ブラシ選びでよくあるのは〈ブラシヘッド〉の大きさが合っていないこと。大きすぎると、お口の中で小回りが効かず、磨き残しの原因になります。奥の臼歯の後ろ側まで、無理なく歯ブラシが届き、動かしやすいのがポイントです。お口が小さい方には、小さめヘッドの歯ブラシをおすすめしています。


二見 かといって、小さければよいわけでもないんですよね。ヘッドが小さすぎると、歯を磨くのに時間がかかり、これも磨き残しの原因になります。


さらに、歯に直接当たる〈毛先〉がとても重要です。丸く加工されたラウンド毛がおすすめです。切りっぱなしの毛先は、角度によって当たる面積が少なくなりますが、ラウンド毛だとまんべんなく歯面に当てることができます。〈硬さ〉はふつう〜やや柔らかめ。柔らかすぎると、毛先が寝てしまい、汚れが落ちにくくなります。


歯肉炎や歯周病など歯ぐきに問題がある方には、歯と歯ぐきの間の汚れが取れやすい、毛先が細めで、歯ぐきに優しい柔らかい毛質をおすすめしています。


水野 歯の表面はカーブしているので、山切りカットやアーチ型などフィットしやすい毛先の形状も大切です。あと忘れがちなのが、歯ブラシの定期交換。毛先が広がってくると、毛先が歯面にしっかり当たらず、かえって歯ぐきを傷つけてしまうことも。逆効果になってしまいますから、定期交換はかならず行なってください。月初めなど「交換日」を決めておくこと、さらには何本かストックしておくと安心ですね。

ブラッシングする二見梨江さん

磨き残し対策は「磨く順番」と「歯磨き圧」

 

――患者さんによく見られる磨き残しや、歯磨きのクセはどんなパターンが多いですか?


水野 「裏」と「奥」は、きちんと磨けてない方が多いですね。自覚されていないかもしれませんが、歯の外側などの磨きやすい場所は強く“磨きすぎ”で、歯の裏側や奥の方は“磨き足りない”というアンバランスな磨き方をしている方がよく見られます。


磨き残しを防止するには〈磨く順番〉を決めておくことが大切です。下の歯の裏側、上の歯の裏側、上の歯の外側…というように「ブラッシングしにくい部位から磨き始める」のがポイントです。ちなみに、奥歯を磨くときは、お口を閉じ気味にするとぐっと磨きやすくなります。


二見 前歯の裏側も、磨き残しがよくありますね。前歯の裏側はスコップ状に凹んでいるので、プロでも磨きにくい場所です。前歯の裏側は、歯ブラシを縦にしてしっかり歯面に当てること。歯が重なっている方は、ここだけ補助ブラシとして小さい歯ブラシを使うこともおすすめしています。


水野 〈歯磨き圧〉も大切ですね。患者さんを見ていても、個人差が大きくて、強すぎたり、弱すぎたり…。ちょうどいい力加減で磨けるようになるには、最初の意識づけが必要かもしれません。


二見 そう。ブラッシングで難しいのは〈歯磨き圧〉なんです。弱すぎると汚れが落ちないし、強すぎると歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。歯科衛生士は、キッチンスケールに歯ブラシを当てて、正しい力加減を覚える練習をすることも。150〜200gがちょうどいい歯磨き圧といわれています。


水野 患者さんにはわかりにくいので、歯ブラシを「ペン握り」でもつように指導しています。小さなお子さんは力が弱いのでグー握りをよくおすすめしますが、大人になったら鉛筆と同じ「ペン握り」が基本です。これだと力が入りすぎず、ちょうどいい力加減に調整できます。


二見 大人になっても、グー握りのままの方がいらっしゃいますよね。力が入りすぎると、歯ぐきが下がる原因にもなります。なかには「やさしく磨くと、磨いた気がしない」とおっしゃる方もいますが、歯磨き圧が強すぎると毛先が寝てしまい、歯垢が取れにくく、歯や歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。

ブラッシング法は年齢や歯の状態によって変わっていく

 

――歯科クリニックでの定期検診は、虫歯や歯周病のチェック、歯のクリーニングに加えて、今回お話しいただいたような歯ブラシ選びやブラッシングのアドバイスをいただけるのですね。


水野 デンタルケアで一番大切なのは毎日のブラッシングですから、歯磨き指導はとても重視しています。もちろん、ふだんの歯磨きでは落ちない汚れもあるので、3ヶ月に1回のペースでクリーニングを受けていただくのが虫歯や歯周病の予防につながります。「そんなに通わないといけないの?」と最初は驚かれる方もいらっしゃいますが、通い始めるとクリーニングの気持ちよさを感じられて楽しみになる方も多いですね。


二見 日本は欧米に比べてお口に対する意識がまだまだ低く、歯に不具合が生じてから歯科を受診する方がほとんどです。歯科医院は「歯が悪くなってから行くところ」ではなく、「予防のために定期的に通う場所」と認識を変えて、お口の健康を維持してほしいですね。


――歯科が苦手と感じられている方もいらっしゃるかもしれませんね。


二見 患者さんの緊張や心配をほぐすのも、歯科衛生士の役割です。リラックスできる空間づくりに努めているクリニックも増えているので、ぜひご自分がリラックスできて通いやすい、かかりつけのクリニックを見つけてほしいと思います。


水野 「ずっと歯医者さんが怖かったけど、思い切ってきました」という患者さんも最近増えていますね。正しいブラッシングは、歯の状態や年齢によっても変わっていきます。また、デンタルツールも日々進化しています。自分に合った正しい方法を知っておくことで、数年後、数十年後の歯の健康状態や残存歯の数に差がつきます。定期的に情報をアップデートして、ご自分の歯に一番合ったケアを実践してほしいですね。

水野真利さんと二見梨江さん

歯磨きは徹底するほど、楽しくなって習慣化する

 

――歯科衛生士さんは、デンタルケアのアドバイザー的な存在なのですね。歯磨きの大切さはわかっているけど、「ついおろそかになってしまう」という人にぜひアドバイスをお願いします。


水野 歯は手間をかけたぶんだけ、よい状態を維持できます。面倒だと感じてしまうと、どうしても雑になりますから、面倒と思わないように「楽しむ」の工夫を積極的にしましょう。自分に合った歯ブラシを選んだり、香りのいい歯磨き剤を使ったり、お気に入りのデンタルツールを揃えるのはその第一歩ですね。


二見 歯磨き効果を自分で意識することも大切ですよね。ブラッシング後、歯がツルツルになったら、きちんと磨けている証拠。口全体もすがすがしくリフレッシュしていると思います。効果を実感することで、歯磨きが楽しくなり、習慣化していくと思います。


水野 歯ブラシでブラッシングした後、フロスで最後に仕上げして、歯がキュキュッと鳴るのが気持ちいいんですよね。


二見 歯科衛生士はきっとみんなそうですよね(笑)。手間をかけてあげることがむしろ楽しいんです。


水野 中途半端な歯磨きだとこの気持ちよさはイマイチ感じられないかもしれません。歯磨きは徹底するほど楽しさや達成感が強く感じられると思います。その気持ちよさを覚えてしまえば、歯を磨く時間が楽しみになって習慣化していくと思います。(取材・文/麻生泰子)

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