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CTやMRI、陽子線治療など高度検査や治療の現場をやすらぎ空間に演出するフィリップスの環境ソリューションAmbient Experience。患者さんの「安心」に寄り添った、新しい医療環境を提案します。

ambient experience

検査をやすらぎのひとときに変える画期的ソリューション

 

病院をもっと患者さんや家族が安心や親しみを感じられる場所にしたい――東京都健康長寿医療センター放射線診療科係長を務める鈴木諭貴先生(放射線技師)は、患者さんが最適環境でより安心して、より安定的な検査を実施できる環境を提供したいと考え、2018年にCT検査室に環境ソリューション「Ambient Experience(アンビエント・エクスペリエンス)」を導入しました。

 

Ambient Experienceとは、直訳すれば“環境体験”。室内に間接照明、LED照明、壁面プロジェクター、天井モニター、音楽装置を一体化させて、患者さんに最適な検査環境を提供するシステムです。

 

「私たちは日々、CT検査室で数多くの患者さんの検査を実施していますが、多くの方は病気が見つかるかもしれないという不安、体の異変や不調を抱えて検査室に入ってきます。患者さんの不安は、僕たち技師にも痛いほど伝わってきます。患者さんに少しでもリラックスしていただける環境をつくろうと、コミュニケーションや検査フローの工夫を重ねてきましたが、なかなか大きな効果を感じられない。そこで、検査室全体を音楽や映像のシアターのように演出できるAmbient Experienceの導入を決めたのです」

 

Ambient Experienceは、患者さんの好みに合わせて室内の色を変えたり、海や砂漠、植物、街並み、動物などさまざまな映像を選ぶことができます。操作はごく簡単で、検査室の壁に設置されたタッチスクリーンをスマートフォン感覚でタッチしていきます。

 

指先ひとつで検査室全体が、熱帯魚が泳ぐ海の底に変わったり、夕日に染まる砂漠、田園風景のアニメーションに変わったりと、患者さんは寝台に横たわりながら旅感覚を味わうことができます。幻想的な光に包まれて映像を楽しむうちに、いつのまにか検査が終わっている――患者さんにとってがまんや苦痛のひとときだった検査時間が、楽しみや安らぎに満ちたひとときに変わったのです。

ambient experience

患者さんの不安軽減は、検査の安定性にもつながる

 

実際に、Ambient ExperienceでCT検査を受けた患者さんは、どのような反応をされるのでしょうか。

 

「検査を終えると、『楽しくて、あっという間だった』『ひさびさに旅の気分を味わえた』と笑顔で話してくれる患者さんもいます。通常の検査では、患者さんの笑顔が見られることは少ないので、導入して良かったと私たちまでうれしい気持ちになりました。

 

患者さんによっては、緊張しすぎて体調が悪くなることもありますし、心臓の画像撮影などでは心拍数が安定することで画像がより鮮明になります。患者さんがリラックスしてCTを受けられることは、検査の正確性や安定性を確保するうえでも大切なのです。患者さんの不安軽減はもちろんですが、より良い医療を実現するうえでもAmbient Experienceは役立ってくれていると思います」

 

鈴木先生によると、Ambient Experience導入は技師やスタッフの働きやすさにもつながったとも話します。

 

「検査前には、患者さんに話しかけて緊張を解いたり、信頼関係を築くようにしているのですが、『どの映像がいいですか?』『この映像も人気ですよ』と話しかけるきっかけが広がりました。患者さんから『動物が好き』『こんな場所に行ってみたい』という話も聞けたりして。病気とは関係のない、たあいもない気軽な会話が、患者さんの自然な笑顔を引き出してくれると感じています。スタッフからは『患者さんがリラックスされるので、造影剤注射などの措置もしやすくなった』という声も上がっています」

 

患者さんに人気が高いトップ3は、ブルーの世界に包まれる海の生き物、可愛いパンダの様子が見られる動物、クイズの映像だそうです。

 

「検査中は患者さんにしばしお待ちいただくこともあるのですが、そんなときも、映像があるおかげで待つ負担が多少なりとも軽減できたと感じています。当センターはご高齢の患者さんが多いのですが、健康診断や検診を積極的に受けてほしい働き盛り世代や、安静での検査が難しい小児の方にもAmbient Experienceはすごく喜ばれると思います」

東京都健康長寿医療センター・鈴木諭貴さん

医療現場に「安心」があることが、患者さんの信頼を生む

 

鈴木先生がAmbient Experienceを知ったきっかけは、北米放射線学会(RSNA)に参加した際、Ambient Experienceの展示ブースを見学したことがきっかけだといいます。

 

「Ambient Experienceを初めて見たときは、あざやかで楽しい世界に目を奪われました。病院は患者さんにとって楽しくない場所かもしれませんが、もっと患者さんに楽しみを提供するエンターテイメント的な要素があっていいんだと気づかされました。

 

私は放射線診断技術について講演をしたり、当センターに研修技師を招くことがあるのですが、うちの病院にも欲しいという声は多いですね。Ambient Experienceの導入は、検診や健康診断の心理的ハードルを下げていくこともつながるのではないかと思います」

 

今後は、桜や紅葉などの日本の自然映像を取り入れてほしいと期待を込めて語る鈴木先生。

 

「僕たち医療者側にとっても、Ambient Experienceは癒しになっていると個人的に感じています。自然光が入らない、機械に囲まれた閉ざされた空間で1日を過ごしていますから。それに長期入院されている患者さんも外の風景に触れられる機会が激減しています。季節の移ろいを感じられて、目に優しい自然の風景の映像が見られるといいですよね」

 

病気や不安を抱える患者さんに、医療ができることは「安心」を提供すること。その安心こそが、治療への前向きな姿勢や信頼を生み、よりよい医療の実現につながっていきます。Ambient Experienceは、医療の場を“明るく前向きな場所”に変える可能性に満ちているのです。(取材・文/麻生泰子)

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