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日本の女性の罹患・死亡率が高い「乳がん」。早期発見すれば生存率90%を超える治りやすいがんです。乳がん検診の最新事情から、自分でできるチェック法をフィリップスの検査機器担当者がお伝えします。

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もっとも多い女性のがん「乳がん」。検診率が低い現状

 

日本人の死因の第1位は悪性新腫瘍(がん)が占めています。そのうち女性にもっとも多いのは「乳がん」で、日本の女性の9人に1人がかかるといわれています。しかし、これだけ罹患・死亡率の高いがんでありながら、乳がん検診率はわずか44.6%と低い水準にとどまっています。*1


アメリカの女性の乳がん検診率76.5%と比べると、日本の女性の検診率はきわめて低いことがわかります*1。フィリップス・ジャパンで検査機器(超音波診断装置)の担当を務める内藤弘美は、その原因についてこう話します。


「乳がんのリスクが高まるのは30代後半からです。そこで厚生労働省では40歳以降の女性に2年に1回の乳がん検診を推奨しているのですが、仕事に育児、家事とさまざまなタスクを抱える最も忙しい世代です。毎年10月の世界的な乳がん啓発活動(ピンクリボンキャンペーン)で乳がん検診の大切さを理解している人は増えていると思いますが、自分のことよりも、家族優先仕事優先で検診の時間がつくれない人が多いのでは。それに私自身もそうでしたが、30、40代だとまだ自分は大丈夫という気持ちもあるかと思います」


たしかに、2017年に内閣府が行なった調査では、“検診を受けない理由”として「受ける時間がない」(30.6%)、「健康状態に自信があり、必要性を感じない」(29.2%)という回答が6割を占めています*2。これから日本の女性の検診率を上げていくには、どうしたらいいでしょうか?


「この世代が忙しいそもそもの理由を考えると、大切な人たちのために頑張っている方が多いのだと思います。そうであれば、自分のためだけでなく、お子さんや配偶者、ご両親など〈大切の人のために検診を受ける〉という意識をもっていただくことで、検診率の低さは変わっていくかもしれません。


乳がんは早期で治療すれば、生存率は90%以上です。乳がんは死亡率や罹患率は高いものの、早期発見できれば、治る確率の非常に高いがんなのです。ご自身のため、大切な人のために、一人でも多くの女性に乳がん検診を受けてほしいですね」

乳がんは早期発見で生存率90%以上
乳がんは30代後半から急増
日本人の乳がん検診受診率は低い

超音波を含めた「乳がん検診」が推奨される理由

 

日本の女性の罹患率が高い乳がんですが、日本人の乳がんの傾向として知っておくべきことはありますか?

 

「日本人女性はデンスブレスト(高濃度乳腺)の方が多いことは、ぜひ知識として知っておいていただきたいと思います。日本人を含めアジア人は、欧米人と比べて乳房が小さく脂肪が少ないため、乳房における乳腺の割合が多くなる、すなわち“高濃度”になりがちです。乳がん検診は医師による触診に加え、マンモグラフィ検査とエコー検査のいずれか、もしくは両方を行います。でも、デンスブレストであると、マンモグラフィ検査だけでは発見しにくい乳がんがあるのです」

 

乳がん検診というと、乳房を板で挟んで圧迫して撮影するマンモグラフィ(乳腺X線)検査がよく知られていますよね。

 

「マンモグラフィの撮影画像では、乳房に脂肪が多いと全体的に黒っぽく写り、乳腺組織の部分は白っぽく写ります。ところが、がん細胞であるしこりも白く写るため、乳腺組織が多いと、がんと見分けるのが困難になることがあるのです」

 

マンモグラフィ検査だけでは、がんを見落とすリスクがあるのですね。そのリスクを減らすには、どうしたらいいのでしょうか?

 

「エコー(超音波)検査も受けることが大切です。乳がん検診にマンモグラフィとエコーがあるのは、それぞれ得意とする病変が異なるからです。マンモグラフィは、乳腺の中にある石灰化した微細な病変を見つけるのが得意です。一方、エコーは腫瘤と呼ばれる「しこり」、乳房内の病変の有無、わきの下など周囲のリンパ節への転移の有無などがよくわかります。

 

最新の研究では、デンスブレスト(高濃度乳腺)でない方であっても、マンモグラフィとエコーの検査併用が望ましいとの報告もあります*3。つまり、これからの時代は、乳がん検診は、マンモグラフィ検査とエコー検査の両方を受けることがスタンダードになっていくものと思います。とくに日本人女性は乳がんの罹患率が高く、マンモグラフィだけでは見つかりにくい場合もあるので、ぜひ2つの検査を併用して受けてほしいと思います」

 

エコー検査は、お腹の中の赤ちゃんの様子を確認する際に使用するのと同じ機器を用いて行われます。専用のジェルを塗って、端子をやさしく滑らせて乳房全体をチェックします。痛みや被曝のリスクはなく、10〜15分程度で完了する簡単な検査なので、ぜひマンモグラフィと併せて受けておきたいですね。

ライフスタイルの変化と乳がん

まずはセルフチェック。自分の体を知ることから

 

日本人女性の乳がん検診受診率は42.3%と低い割合ですが、フィリップス・ジャパンの女性社員の乳がん検診受診率は89.1%(2021年度)と高い達成率です。なぜこれだけ受診率が高いのでしょうか。

 

「ヘルスケアの世界にいると、早期発見・早期治療の大切さを実感することが多いからかもしれません。早ければ早いほど心身のダメージも最小化できるメリットは大きいですよね。もちろん会社からの啓発や働きかけもかなり熱心だと思います。一度受けてしまうと、漠然とした不安が解消されて、『受けてよかった!』という安心感が上回ります。この安心をキープしたいから、次も受けようという気持ちにもなりますね」

 

一度受けると心理的なハードルが下がって、ヘルスケアのモチベーションも高まるのかもしれませんね。

 

「私は毎年乳がん検診を受けているのですが、女性が気持ちよくスムーズに受診できるように工夫や体制を整えているクリニックが増えています。初めての検診で不安が大きいという方は、女性専用フロアがあったり、女性の医師や検査技師がいるところを選ばれるといいかもしれません。

 

超音波診断装置の製品担当者として、さまざまな医療者の方々と話をさせていただく機会がありますが、検査にあたる医師や技師さんのレベルの高さや使命感、スタッフのこまやかな心遣いはいつも感銘を受けています。何の心配もなく、すべておまかせしてリラックスして受診していただければと思います」

 

乳がん検診に加え、自分でセルフチェックすることも早期発見に役立ちます。自分の目と手で、左右のバランス、皮膚の状態、触ったときの感触に違和感がないかなどを確認します。小さなしこりに気づいたことをきっかけに、病院を受診して乳がんと診断されることも実際にあるそうです。

 

「お風呂上がりや寝る前にときどきチェックするのがおすすめです。とくに乳がんの半分は外側上部に発生しやすいので、脇から乳房にかけては念入りに確認すると良いと思います。チェックのついでに香りの良いボディクリームを塗ったり、ストレッチしたりして、セルフケアとして行うと、心も体もスッキリしますよ」

 

乳房は月経の周期によって張りが変わるので、月経のある方は、乳房が軟らかい状態になる月経後1週間目頃がおすすめです。もちろん、正常な乳房でも多少の左右差や凹凸がある場合があります。日頃からセルフチェックを通じて自分の乳房を知っておけば、小さな変化も見つけやすくなります。

 

「乳がん検診やセルフチェックは、女性が元気でいきいきと過ごすために大切なケアと考えてほしいですね。ヘルスケアに携わる者として食事・運動・睡眠の自己管理は心がけていますが、私にとっては乳がん検診もその一環。医療機関の検査機器を充実させていく仕事をつうじて、乳がん検診の大切さを伝え、日本に元気な女性をもっと増やすことに貢献していきたいですね」(取材・文/麻生泰子)

乳がんセルフチェック

*1  2019 年データ、出典:OECD Health Statistics 2021

*2 内閣府「がん対策に関する世論調査」2016年

*3 Narumi Harada-Shoji et al., Evaluation of Adjunctive Ultrasonography for Breast Cancer Detection Among Women Aged 40-49 Years With Varying Breast Density Undergoing Screening Mammography, JAMA Netw Open. 2021;4(8):e2121505.

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