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救急救命士でもあるフィリップス社員の成川による、AEDや救護体制構築、救命についての考察や最新情報をお届けします。

心肺蘇生ガイドラインは、人が心肺停止に陥ったときに「どのような行為が蘇生に有効であるか」についてエビデンスをもと書かれたもので、5年ごとに改定されます。前回の改定が2015年に行われましたので、5年後の2020年に最終発表される予定でしたが、コロナ禍の影響により遅延しています。

 

目の前で倒れた人に適切な行動するにはどういった対応すればよいかというのは、常に世界中で議論されています。日本では、JRC(日本蘇生協議会)がまとめ役となり、日本をはじめヨーロッパや北米、その他世界中で心肺蘇生に関するトピックスで論文を集めて総合的な検討を行います。5年ごとにそのまとめた内容を発表するのが心肺蘇生ガイドラインで、それが日本全国の心肺蘇生の指針となります。もちろん、心肺蘇生を実施する方の立場、例えばそれが一般の人なのか、医療従事者なのかによって行う処置も異なります。

 

基本的に心肺蘇生法の方法として、人工呼吸、胸骨圧迫(心臓マッサージと言われるもの)、AED(自動体外式除細動器)の使用といったものがあげられます。


心肺停止状態がわかった場合、胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30回胸骨圧迫:2回人工呼吸)でAEDの到着を待ちます。

AEDが到着すると、すぐに①AEDの電源を入れる②パッドを胸に貼る③AEDのメッセージ通りに実施するといった流れになります。

 

日本において、AEDの使用率は5.1%とまだまだ低いのですが、人工呼吸と胸骨圧迫はすぐにでも開始できます。その方法がわからなければ119番通報をすると、場所など必要な情報を伝えたあと、電話で通信指令員が心肺蘇生法を丁寧に教えてくれます。最近では、小・中学校などでも心肺蘇生法を学ぶ機会が増えており、また運転免許を取得する自動車教習所でも講習会が行われているので学んだことがある人が増えてきています。

 

この心肺蘇生法は、地域の消防組織や日本赤十字社、各種団体などによって行われており、消防組織では年間約190万人が普通救命講習を受講しているそうです。ただ、昨今のコロナ禍の影響で密を防ぐため、受講者数の制限を行いながら実施しているところが多いようです。近い将来は、技術が進歩しVR(バーチャルリアリティ)による講習会が実施される、なんて日も近いかもしれません。

 

また、コロナ禍の影響は心肺蘇生法にも影響を及ぼしています。それは、人工呼吸を実施するかどうかです。この件については、コロナ以前から議論があったものです。通常、人は呼吸を常にしておりますが、心肺停止とは呼吸と脈が止まっている状態。そのため人工呼吸と胸骨圧迫をすぐに開始する必要があります。ただ、一般の人にとって、人工呼吸の実施は相当難しく、特に他人への実施はとまどいが生じるのは当たりまえです。その戸惑いの時間というのを有効に活用しようという発想が、ハンズオンリーCPR(胸骨圧迫のみの心肺蘇生)です。つまり、人工呼吸をやらなくてよいという選択ではなく、胸骨圧迫だけでもすぐに絶え間なく実施したほうがより蘇生に良い影響をもたらす可能性があるということです。

みなさんもいざというときに、迷いなく胸骨圧迫とAEDはできるようにしましょう。

 

成川憲司

株式会社フィリップス・ジャパン コネクティドケア エマージェンシーケア

米国カリフォルニア州にてParamedic資格を習得後、多種におよぶ薬剤や高度な処置でコール911対応での実務経験を経て帰国。大学での教員の経験を経て、現在フィリップスにてAEDを最大限に活かす救護体制Heart safe cityを提案し、具現化するために全国にわたりプロジェクトを推進している。

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