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救急救命士でもあるフィリップス社員の成川による、AEDや救護体制構築、救命についての考察や最新情報をお届けします。
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現在、新型コロナウィルスが猛威をふるっており、コロナウィルスによる重症者数や死亡者数について毎日報道されています。実は、死因としてがんに次いで多い心臓突然死については、あまりご存知ない方も多いかと思います。

以下の表をご覧いただくとわかるように、2019年1年間のデータでは、病院の外で心肺停止に陥った人の数は126,271人です。そして、その中で心臓の不調が原因(心原性)で亡くなっている心肺停止者数は78,884人なっています。さらに、その中で倒れた時に周りに救護してくれた人がいた傷病者数は25,560人となっています。

年間死亡者数
1,340,433人
院外心肺停止
126,271件
心原性
78,884件
目撃あり
25,560件
心肺蘇生
14,789件
AED使用
1,311件

総務省消防庁:令和2年版救急・救助の現況

厚生労働省:令和2年(2020)人口動態統計の年間推計について

 

救急車の全国の平均到着時間は8.7分です。突然、目の前で心肺停止に陥った人を見かけた場合、救急車到着前に何ができるのかを考えてみましょう。

 

まず、心肺停止に関わらず、けがや急病人がいたら、119番通報されると思います。また、救急車到着前の心肺蘇生が重要となります。心肺蘇生は、医療従事者ではなくても実施可能な救命処置です。

日本で、倒れた人を見かけた際に、どれくらいの方が心肺蘇生(CPR)をしていると思いますか?毎年約57.9%の人が、胸骨圧迫などの心肺蘇生を開始しているというデータがあります。つまり、2人に1人が実施しているということになります。

 

この数字を少ないと感じるか、多いと感じるかは、それぞれの感じ方があると思います。心肺停止状態に陥った場合、周りに居合わせた人が心配蘇生を行うか否かで、その後の以前と変わらず生活できるかどうかに大きく影響を及ぼすため、フィリップスとしては心肺蘇生の実施率100%を目指していきたいです。

 

さらに、2004年7月から、医療従事者ではない一般の人にも使用が許可されている唯一の医療機器「自動体外式除細動器」があります。世の中では、AED(Automated External Defibrillator)という名称で呼ばれています。

 

日本には、約62万台のAEDが設置してあると推定されており、日本は世界でも有数のAED保有国と言われています。しかし、実際にAEDが使用されているのは2019年1年間では1,311件。病院の外で倒れた際に、たまたま周りの人に目撃された心肺停止傷病者のうち、AEDで電気ショックまで受けた人の割合はわずか5.1%(1,311/25,560件)となります。

 

胸骨圧迫は、その場に居合わせた人が特別な機器を用いずに実施できます。また、119番通報した際、心肺停止の疑いがあれば、電話を受けた通信指令員の方が、丁寧に胸骨圧迫やAEDの使用方法を教えてくれます。しかしながら、前述のとおり心肺蘇生を試みる人が59%いるにも関わらず、AEDのショック実施率は5.1%にとどまっているというのが現実です。

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AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれ、誰でも簡単に使えるシンプルな作りになっています。それにも関わらずAEDの使用率は低く、その原因の一つとして、すぐに使用できる場所にAEDがないということがあげられます。

 

皆さんも考えてみてください。お住いの近くでAEDがある場所を思いつきますか?思いついた場所であっても、時間によってはシャッターが閉まっていてAEDを持ち出せず使用できなければ、いざという時に何の効果もありません。

 

心肺停止に陥った人に胸骨圧迫をする理由は、止まっている心臓の代わりに外から手で力を加える胸骨圧迫により、脳をはじめとした体全体に少しでも血液を送る手助けをするためです。ただ、救急救命士などの医療従事者が胸骨圧迫を行っても、本来の心臓の働きに比べて、送り出す血液量は30%程度にとどまると言われています。

 

心肺停止に陥ると、心臓が異常な痙攣状態等に陥り、通常のポンプの動きを果たせなくなります。そのため、AEDによる電気ショックによって、心臓の異常な動きをリセットすることで、元の正常なポンプの動きに戻すことを促します。心臓に正常な動きを取り戻すためにAEDによる電気ショックが有効です。

  

もう一度お伺いします。皆さんの近くにAEDはありますか?

 

成川憲司

株式会社フィリップス・ジャパン コネクティドケア エマージェンシーケア

米国カリフォルニア州にてParamedic資格を習得後、多種におよぶ薬剤や高度な処置でコール911対応での実務経験を経て帰国。大学での教員の経験を経て、現在フィリップスにてAEDを最大限に活かす救護体制Heart safe cityを提案し、具現化するために全国にわたりプロジェクトを推進している。

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