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9 15, 2019

東北地方をヘルステック先進地に。 フィリップスCo-Creation Centerの挑戦

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今、東北・仙台では健康課題の解決に向けた先進的な取り組みが進んでいます。フィリップスは、ここ仙台で「Co-Creation Center(CCC)」設立し、産官学共創で新たなイノベーションを生み出していきます。

健康課題先進地、東北地方に可能性を見出す

2019年5月、宮城県仙台市にイノベーション共創拠点「Philips Co-Creation Center(CCC)」がオープンしました。ここは大学、医療機関、自治体、企業が共創(Co-Creation)し、健康・病気予防に役立つサービスモデルを構築し、ヘルステックに関する研究開発・事業化を推進する一大拠点です。センター長を務める赤坂亮に、CCC設立に至った経緯を聞きました。
 

「人生100年時代が謳われる今、日本は世界に先駆けて超高齢化社会に突入しました。一方で、増大する医療費や社会保障費、平均寿命と健康寿命のギャップなど解決しなければならない健康課題は山積しています。
 

その意味では、東北地方は“課題先進地”ともいえます。47都道府県の中でも東北は平均寿命が短く、東日本大震災の被害を受けた地域では、不眠症やうつ、不登校などといった健康課題が増えている現実もあります。こうした地域の課題を解決するべく、東北大学では先進的な研究に取り組み、宮城県や仙台市も積極的に支援・参画しています。
 

例えば、東北大学ビッグデータメディシンセンターでは、地域の15万人の健康人のゲノムコホート研究、80万人の患者情報のビッグデータを有しています。これは医療や健康のビッグデータの利活用が遅れている日本では先進的で、生活環境や遺伝などから病因を解明し、予防・治療に役立てられる可能性があります」

東北には、これからの医療の大きな課題を解決できる環境が整っているのですね。
 

「そうです。ですから、私たちフィリップスは、東北大学や自治体、そして多種多様な企業と協力し、仙台から健康課題のソリューションを発信していければとCCCを開設したのです

VRによる体感するショースペース

健康へのneedsからseeds(種)を生み出す場所

CCCには、異業種のパートナーが集うCo-Creation Cafeやレクチャールームがあり、3Dプリンターや仮想空間を体験できるVR/ARデバイスでアイデアを具現化できるラボラトリーが完備されています。そして、国内外から集まった、フィリップス随一のデータサイエンティストやクリニカルスペシャリストがイノベーション開発に従事しています。
 

「CCCは、医療や健康へのneeds(ニーズ)からseeds(種)を生み出す場所です。わかりやすく例えると、『家にいながらお医者さんと話ができたらいいな』『今日の自分の体調に合う食べ物がわかるといいな』というようなニーズに応える技術をどんどん形にしていきます。未来の健康的な生活に向けた自由な発想からseedsをたくさん生み出していくのが私たちのミッションです。
 

100のseedsを生み出して、1つでも形になれば大成功です。私たちは自由な発想とスピード感をもってクリエーションを続けていきます。そのサイクルの中で、新たな発想が生まれ、新たな技術が育っていく。それができるのがCCCという場所なのです」

CCCの創造性を貫く精神は「デザイン・シンキング」だと赤坂センター長は語ります。
 

「デザイン・シンキングとは、使う人の視点に立ち、コミュニケーションから発想を広げ、実際につくってみることから始まります。そこでつくられたものを検証して、次の手を考え、より良いものへと進化させていく。このサイクルを積み重ねていくことで、世界を変えるイノベーションは生まれます。
 

これまでフィリップスは、皆さんのご自宅や病院に医療機器をお届けしてきました。これからはデザイン・シンキングの取り組みで、社外とも広く共創し、人々の暮らしにもっと寄り添ったサービスを届け、健康的な生活の実現に貢献していきたいと考えています」

CCCの創造性を貫く精神はデザイン・シンキング

東北・仙台がヘルステック先進地となる日

テクノロジーが進化して医療は今、治療から「予防の時代」へと突入しています。そのなかで、大きな注目を集めているのが、ビッグデータやAIを活用したヘルステックです。ヘルステックが進化すれば、私たちは将来、病気や不調に悩まされることなく、健康で元気な人生100年時代を謳歌できる時代がやってくるかもしれません。
 

「そう。今はその転換期にあります。ただ、ビッグデータやAIを活用した医療分野では、日本は遅れをとっているのが現実です。すでにアメリカやヨーロッパ、中国では医療のビッグデータの利活用が進んでいます。このままでは将来的には、世界一の長寿国としての日本の位置づけも危うくなっていくかもしれません。
 

そこで、CCCではヘルステックの研究開発を加速化・多様化すべく、各地にネットワークを広げています。大阪の国立循環器病研究センター、名古屋大学、そして東北大学に「Co-Creation satellite(CCS)」というサテライト拠点を開設し、医療従事者と私たちがface to faceで共創できる環境をつくっています。
 

さらにグローバル展開するフィリップスでは、オランダ、アメリカ、インド、中国の4カ所に、私たちのCCCと同じような最先端のイノベーション創造をおこなう拠点があります。将来的には、こうした拠点ともネットワークを結び、人の交流や技術提携を進めていければと考えています」
 

今後、東北・仙台が日本におけるヘルステック先進地として、世界の注目を集める日がやってくるのですね。
 

「すでに、ヘルステック事業に関心のある企業や自治体の方々がCCCに関心をもって集まってきています。われわれの取り組みがさらに発信されていけば、世界のグローバル企業がここに集まってきます。東北は課題が多いからこそ、その解決のために真剣に取り組んでいる人々が大勢います。私は仙台にヘルステック先進地として大きな可能性を感じています。そして、CCCの活動を通じて、東北、日本、そして世界の未来を明るいものに変えていければと考えています」(取材・文 / 麻生泰子)

Philips Co-Creation Center センターのメンバー

赤坂亮 Philips Co-Creation Center センター長 (写真中央)
 

NECで製薬企業向けのシステム企画・開発業務に従事したのち、日本IBMでライフサイエンス事業を中心とした医療ビッグデータ解析による価値共創や、AI創薬による新薬開発プロジェクトに多数従事。

宮城県石巻市で生まれ育ち、震災後は、慶應福澤諭吉記念文明塾で地域新聞「Yappes Times」を発行し、

復興に貢献。東北地方と日本の医療の未来のために、CCC設立に手を挙げ、現在運営の中心となっている。

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