日本においては、医療従事者と患者ともに「高齢化」問題が最重要課題に捉えられている一方、これに伴い生じる医療課題の解消へ向けた、政府の取り組みの優先順位には差がある。 他国では、医療従事者と患者の間で、重要課題に対する見解の違いが存在。
日本は健康な生活や、予防、治療、在宅ケアなどの「一連のヘルスケアプロセス」にアクセスできると考える患者の割合が、13か国中、最も低い。医療従事者においても、13か国の平均を下回っているが、その差は患者よりも狭まっている。
日本では医療従事者と比べて、患者の医療水準の評価が低い。背景には「(診察を受けるまでの)長い待ち時間」や、「限られた診察時間」が影響している可能性がある。一方、13か国中、6か国では患者の評価が医療従事者を上回っている。
日本の医療従事者の57%は、患者がより積極的に健康管理に関わる必要があると考えているが、自身の健康管理に「非常に積極的」な日本の患者はわずか7%。自身の健康管理への評価について、日本の患者は「自信がない」との回答が13か国で群を抜いて高い。
医療コストについて日本の患者は過半数が「高すぎる」と感じているが、その割合は他国とほぼ同じ。
日本において、医療制度は「統合されていない」との意見が多く、患者では46%、医療従事者では59%に上る。「統合されている」との回答は患者では2%、医療従事者ではゼロとなっており、いずれも13か国で最下位。
「医療の統合」が重要であることについては、日本の患者の66%、医療従事者の60%が同意。ただ、13か国平均ではそれぞれ77%、83%に上っており、日本と開きが見られる。
「医療の統合」について、コスト面では特に医療従事者で意見が割れており、13か国中5か国でコストが「増加する」との意見が「低下する」との見方を上回っている。医療の質に与える影響は患者、医療従事者共に「良くなる」との見方が多いが、日本は13か国平均を10ポイント以上下回っている。
日本において「コネクテッドケア」を「知らない」患者は84%、医療従事者は80%に上っており、13か国で認知度が最も低い。重要性についてはおおむね賛同する意見が多く、国民の健康改善に「コネクテッドケア」が重要と回答した日本の患者は50%、医療従事者は56%だった。
「コネクテッドケア」の導入にあたり、日本では患者、医療従事者ともに「プライバシー保護/データセキュリティ」、「機器の価格」が障壁になっているとの意見が多い。特に「機器の価格」については、日本の患者の31%、医療従事者の51%、海外においても13か国平均でそれぞれ42%、46%が障壁とみなしている。
日本の患者の実に75%が「オンラインで医療従事者とコミュニケーションを図ったことはない」と回答。医療従事者でもオンラインでやり取りしている人は43%で半数に満たず、他国と比較し、オンラインでのコミュニケーションが進んでいない。
世界でもトップクラスの平均寿命を誇っているにも関わらず、日本人は「健康な生活」の維持に必要な情報やリソースを利用するのが難しいと感じていることを知っていますか?