日本においては、患者、医療従事者共に、国が抱える最重要課題を高齢化と捉えており、その割合は患者が71%、医療従事者が90%に上っています。一方で、こうした高齢化などに伴って生じる様々な医療課題の解消へ向け、政府の取り組みの優先順位を聞いた質問では、患者の51%が「医療コストの削減」を最優先としたのに対し、医療従事者は医療アクセスへの改善を求める意見が32%で最多でした。 日本を含む13か国において、国が抱える最重要課題を聞いた質問の回答状況を見ると、患者と医療従事者の認識に違いがあることが分かります。患者においては、国が抱える最重要課題について、「経済問題」とする回答が38%で最も多く、「就業率」が28%でこれに続きます。「高齢化」は3番目に多く挙げられていますが、13か国平均では26%にとどまっており、日本との間に大きな開きが見られます。日本以外で高齢化を最重要課題とした国は、中国(50%)、シンガポール(58%)で、いずれもアジアの国でした。 これに対し、医療従事者では、最重要課題に「高齢化」をあげる回答が最も多く、過半数の55%に上り、患者を30ポイント近く上回りました。以下は、「経済問題」(41%)、「国民全体の健康問題」(29%)と続きました。国別に見ると、実に8か国(オーストラリア、中国、ドイツ、日本、オランダ、シンガポール、スウェーデン、イギリス)の医療従事者が「高齢化」を最重要課題にあげました。