株式会社フィリップスエレクトロニクス ジャパン(本社:東京都港区、社長:ダニー・リスバーグ、以下フィリップス)は、新たな医用画像診断のワークフローを実現する二層検出器搭載型CT装置「IQon スペクトラル CT(アイコン スペクトラル シーティー)」を本日より日本で販売開始しました。
IQon スペクトラルCTは、スペクトラルディテクターである二層検出器を搭載したCTスキャナです。全ての検査で120kVp画像データとスペクトラルデータの取得を両立させ、ミスレジストレーションのないスペクトラルデータの取得が可能であるため、従来のDual Energy CTでの課題を全て解決します。
Dual Energy CTの課題とは、
・事前にDual Energy 撮影を追加する判断が必要
・診断のデファクトスタンダードとなっている120kVp画像が同時に取得出来ない
・仮想単色X線画像の画質
・Dual Energy データの位置ずれや時相ずれ など
IQonスペクトラルCT は、日常のCT検査にスペクトラルイメージングという新たな次元が加わることによって、さらに一歩踏み込んだCT画像診断を実現します。
IQon スペクトラル CTの大きな特長
■常にスペクトラルデータを収集可能
二層検出器は、高低さまざまなエネルギー成分を持つ連続エックス線から、最適に分光されたスペクトラルデータを取得します。これにより、1 回のスキャンで、従来の120kVp画像と同時にスペクトラルデータを得ることが可能です。
■低被ばく、かつ高い検査効率
Auto Exposure Controlによる線量最適化、50cmのFOV、mAsの設定、管球回転速度、小焦点撮影、心電同期再構成、逐次近似再構成など従来通りの設定が、条件を変えることなく使用することができます。
■高画質スペクトラルイメージング
二層検出器で収集したスペクトラルデータには、ミスレジストレーションがありません。高い造影効果が得られる低エネルギー画像、金属アーチファクトの抑制に有効な高エネルギー画像など、40~200keVの仮想単色X線画像を簡単に表示でき、特に40keVなど低エネルギー領域でもノイズの増加がないのは大きな特長です。
従来の撮影条件、ワークフロー、患者様における被ばく線量を変えることなく、リアルタイムでもレトロスペクティブにもスペクトラルデータを解析することができます。この高画質スペクトラルイメージングを全てのCT画像診断に活用することができれば、患者様の診断・治療・予防において新たに大きな価値を生み出せるとフィリップスは考えています。
フィリップスは、人々の健康や医療を取り巻く課題の解決にテクノロジーを通じて貢献してまいります。