竹﨑 技師長:既存装置の導入から10年以上経過していて、近年の技術革新に対応できていないことに歯痒さを感じていました。ディープラーニング画像再構成などのAI技術の実用化が進んできたため、装置更新のタイミングだと思いました。装置の選定においては、まずディープラーニング画像再構成技術が搭載されていることを必須の要件にしました。その他には、心臓CTが簡便に実施できること、X線管球の性能が高いことを重視し、Incisive CTを導入しました。細かい部分ではありますが、View数が非常に高いことも評価ポイントでしたね。
放射線科 竹﨑技師長
Precise Imageは全ての部位で使用しています。
竹﨑 技師長:まず初めに驚いたのが画像再構成の速さです。当院では、使用できる全ての部位でディープラーニング画像再構成技術であるPrecise Imageを使用していますが、CT検査を終えてから、患者さんを寝台から降ろしている間に画像再構成が完了しています。待ち時間なく、後処理に移行できるので大変助かっています。
MRIのような画像だ。と臨床科からの評価も非常に高いです。
竹﨑 技師長:Precise Imageの画質は非常によいですね。臨床科の先生方からは頭部画像の評価が特に高いです。先生方から「MRIのような画像だね」といわれました。白質と灰白質のコントラストの高さを評価いただいています。ノイズが少なくなったことで、炎症性疾患や腫瘤性病変、GGOなども非常に見やすくなったと感じています。当院では、技師による読影補助を実施しているのですが、以前よりも病変の指摘が簡単になりました。ノイズが少なくなったことと撮影が速くなったことで、より境界明瞭に病変が評価できています。
被ばく線量は以前の約半分になりました。
竹﨑 技師長:Precise Imageをルーチン検査で使用することで、被ばく線量は非常に低くなりました。以前の装置と比べると、半分程度に減らすことができています。撮影線量を減らすと、それに伴って画質も悪くなっていくのが一般的ですが、Incisive CTでは、今までの半分の線量で今まで以上の画質が得られているので、非常に満足しています。
竹﨑 技師長:以前は他メーカーのCT装置を使用していたので、インターフェースが変わりましたが、導入後、すぐに慣れることができました。当院では、技師歴1年や3年の若手スタッフから20年のベテランまで、幅広い技師が在籍していますが、インターフェースが使いにくいという話はまったく聞きません。患者対応からコンソールの操作まで、1人の技師で完結することができています。私自身もフィリップスのCTは初めてでしたが、使いやすいインターフェースだと感じています。
Incisive CTを導入以降、CT検査数は20%増加しました。
竹﨑 技師長:以前は、20分で検査枠を設定していましたが、現在では、検査枠を10分に短縮することができました。それでも、Precise Positionでポジショニング時間が短縮されたことや撮影速度が向上したこと、再構成時間が短縮されたことなどもあり、以前より楽になったと感じています。CT検査数自体も導入以前と比べて、20 %増加しています。臨床科の先生方が好んでCT検査をオーダーしてくれるようになりました。CT検査数は増えていますが、忙しさは特に感じていません。
Precise Positionは100 %使用しています。
竹﨑 技師長:使い勝手がよいですね、特に救急の撮影のときに重宝しています。ワンボタンでポジショニングすることができるので、ポジショニング時間が短縮するだけでなく、患者さんの対応に意識を集中することができます。当院では、四肢除く100 %の検査でPrecise Positionを使用しています。Precise Positionでポジショニングすることが当たり前になってしまったので、今までどのようにポジショニングをしていたか忘れてしまったほどです。
Incisive CT導入以来、X線管球のクーリングはほとんど起こっていません。
竹﨑 技師長:X線管球の性能でいうと、日々ルーチン検査を実施していくうえでは、クーリングの発生頻度が重要だと思います。どうしても以前のCT装置ではX線管球のクーリングがありました。Incisive CTでは、0.35秒 / 回転の高速撮影をルーチンで使用していますが、導入してからクーリングがほとんど起こっていません。 造影検査で3相撮影するような場合でもまったく問題ないですね。
装置の大きなトラブルは一度も起きていません。
竹﨑 技師長:何か要望があった際には迅速に対応していただいているので感謝しています。ただ、実際のところ、導入してから大きなトラブルは一度も起きていません。安定性が非常に高い装置だなと感じています。
宮川副院長と放射線科の皆様
心臓CTの後処理にかかる時間が3分の1になりました。
竹﨑 技師長:心臓CTの画質は、以前とは比べ物にならないほど向上しました。Incisive CTには、冠動脈のブレを抑えるAI画像再構成機能としてPrecise Cardiacがあります。チェックボックスをワンクリックするだけで使用でき、難しい作業なしに、ブレの少ない画像を得ることができます。特に助かっているのがワークステーションでの心臓解析です。ワークステーションで3Dを作成する場合、まず血管の自動抽出を実施すると思います。冠動脈のモーションアーチファクトが少ない画像で解析することができるので、血管を自動抽出する際の精度が大幅に向上しました。この精度が悪いと、技師がマニュアルで修正する必要があります。以前はこの修正作業に時間がかかっていました。修正作業を必要としないことが増え、ワークステーションで画像を作成するまでの時間が 以前の3分の1になりました。
息止めの難しい患者さんでも、モーションアーチファクトの少ない画像が得られています。
谷川 技師:撮影速度が向上したので、撮影時間は非常に短くなりました。撮影が速くなったので、息止めが難しい患者さんでも、モーションアーチファクトの少ない画像が得られています。臨床科の先生がCT検査に立ち会う場合もあるのですが、先生から「もう検査終わったの?」といわれたこともあります。再構成の処理も速くなったので、先生を待たせることがなくなったのも助かっています。
現在では、βブロッカーの投与なしで心臓CTを撮影しています。
竹﨑 技師長:また、心臓CT検査にかかる時間も大幅に短縮されました。以前は、心臓検査の際にはβブロッカーを使用していたので、患者さんは最低でも1時間はCT検査を待つ必要がありました。Incisive CTでは、βブロッカーを投与することなく、心臓CTを撮影することができています。βブロッカーを使用していないの で、患者さんの平均心拍数が高い場合もありますが、それでも今までのCTと比べて、心臓CTの成績はよいですね。Incisive CTでは、通常の造影検査をするように心臓CTを撮影することができるので、技師からすると非常に助かっています。
CTの基本的な画質が非常に高いです。
宮川 副院長 :被ばく線量が低減できていながらCTの画質が向上できているのは非常によいですね。Incisive CTは、基本的な画質が非常に高いです。読影する先生も助かっていると思います。 心臓CTにおいては、心拍数がある程度あっても、綺麗な画像が撮れていると感じています。
CTに関わる全ての人にメリットのある装置だと思います。
竹﨑 技師長:患者さんだけでなく、技師、医師、そして経営層にもメリットのあるCTです。CTに関わる全ての人にメリットのある装置だと思います。
※ 本誌に含まれる症例は、他の症例の結果を予測するものではなく、結果は異なる場合があります。
Incisive CT-宮川病院 導入事例