放射線室 西野誠記技師長
放射線室 和田優一技師、小林章浩技師、山野英司技師
Philips CTの良いところはコンソールのシンプルな操作性
西野技師長「技師という観点から、年間2万件を超える多くの検査を施行しているCT検査において、検査一連のワークフローは非常に重要だと考えています。今回導入したIncisive CTは、以前使 用していたBrilliance 64の更新で導入しています。私が考えるPhilips CTの良いところはコンソールのシンプルな操作性です。CT検査はルーチンとして多くの技師が検査に携わるために、シンプルな操作性はワークフローの向上だけでなく、迅速でミスの無い検査につながるため非常に重要です。更にIncisive CTでは、コンソールだけでなくガントリー側にタッチパネルも搭載されていま す。このタッチパネルでの寝台操作は直感的で表示もわかりやすくなっています。また、新型の寝台の最低高はより低く設計されているために、患者さんの乗り降りや介助なども楽になっています。 このタッチパネルと新型寝台で検査一連のワークフローは向上しています。」
ガントリーのタッチパネルと寝台
西野技師長「Incisive CTは、予約などのルーチン検査と心臓検査に使用しています。ルーチン検査は、過去画像との比較などから後日に追加で画像を作成して欲しいとの依頼が臨床科から多くあります。Incisive CTは、もう1台のCTより生データ保存容量が多いために数日前の検査に遡って画像再構成することができます。この生データを多くストレージができる点もIncisive CTのルーチン検査において評価しているところです。また、心臓に関して、Incisive CTではAIを含む循環器に特化した技術があるためにこのような運用となっています。」
私たち循環器内科医が求める心臓CTの画像は、安全な治療につながる診断能の高い画像です
循環器内科田口医師「当院の循環器内科は、年間で300件を超える冠動脈治療を行っています。また、近隣施設からの紹介患者も多く、急性心筋梗塞など緊急性の高い病気から、慢性疾患など幅広い疾患の診療にあたっています。その中で、病変を検出して次の治療につなげる画像診断のファーストチョイスとして心臓CTは大きな役割を担っています。
私たち循環器内科医が求める心臓CTの画像は、安全な治療につながる診断能の高い画像です。診断能の高い画像というのは、不整脈だけでなく多様な患者さんに対して末梢血管まで視認性が高く冠動脈プラークや、冠動脈狭窄の有無、また狭窄の程度が正確に診断できる画像です。 CT装置がIncisiveに変わったことで、装置の出力が高くなり高体 重な患者さんにおいて画質のクオリティが上がりました。紹介患者さんは高体重な患者さんが多く、また高体重な患者さんは心疾患のリスクが高いため末梢血管までしっかりと評価できることは早期の治療につながります。
当院では不整脈患者が年々増加傾向にあります。その治療であるアブレーション術前としてCTで冠動脈の評価をしていますが、そのような不整脈症例においても、治療前に100%に近い確率で冠動脈狭窄の有無を術前に診断することができています。もちろん冠動脈に狭窄があれば治療方針も変わってくるので、術前に冠動脈をしっかり診断できることは患者さんのQOL向上につながると考えています。また、Incisive CTに搭載されたPrecise Cardiacでは、高心拍
症例においてもブレの少ない画像が得られます。Preci seCardiacを使うことで、これまで高心拍の患者さんにはβブロッカーを使用していましたが、βブロッカーを使用せず検査をすることでより低侵襲な検査が可能となっています。Incisive CTを導入したことで、これまで以上に多様な患者さんに対して精度の高い画像診断が可能となっています。そして、その精度の高い画像診断は患者さんの安全な治療につながると考えています。
副院長・循環器内科部長 田口晴之 医師
大抵の症例で心位相の検索について時間を掛けたことはありません
山野技師「心臓CT検査は、その他のCT検査と比べてハードルが高い検査との位置づけがあるかと思います。心電図を付けることに始まり、造影剤の急速注入、冠動脈の止まっている最適心位相の検索、最適心位相の画像からCPRや3D画像構築などと多くの作業があります。その中で、最適心位相の検索は症例や技師の経験値によってバラツキが多く難しい所です。しかし、その最適心位相をしっかり検索できるかどうかで画像の良し悪しは大きく変わります。最適心位相は、sinus rhythmであれば高心拍では収縮 期、低心拍であれば拡張期とある程度予測できますが、当院は高齢者の患者さんも多くR-Rがバラバラの不整脈症例も多いので簡単にはいきません。しかし、Philipsには心拍変動に対応したアルゴリズムがあるので、大抵の症例で心位相の検索について時間を掛けたことはありません。Afなどの不整脈を含むほとんどの症例で収縮期の40、45%か、拡張期の70、75%で最適心位相は決まります。また、Philips CTでは、心臓撮影後にPACやPVCが検知すると心電図上にアラートで表示がされるので見落としのない心電図処理ができます。それらの技術に加えて、Incisive CTではモーションアーチファクトを低減するPrecise CardiacといったAI技術も搭載され、これまで以上にさまざまな症例に対して画質は向上しています。
誰が撮影しても安定した画像が出てくるので、絶対的な安心感があります。Afも怖くないです
山野技師「正直、あまりないですね。撮影自体難しいことは何もなく、範囲を選ぶだけという感覚で撮影しています。誰が撮影しても安定した画像が出てくるので、絶対的な安心感があります。Afも怖くないです。 Afであっても他の症例と同じように普通に綺麗な画像が出てきます。」
山野技師「特に心臓検査担当などはいません。みんな普通に撮影しています。胸部や腹部を撮影するように心臓も撮影しています。今まであまり考えたことはなかったですが、若手の技師から年配の技師まで心臓検査を安心して任せられるのも、Incisive CTのメリットですね。」
山野技師「Precise Cardiacにはよく助けられています。『困ったときの神頼み』ではないのですが、心拍が100を超える症例や、あと少し末梢血管をブレなく観察したい症例など、ほとんどの症例で使用しています。使用時も本体コンソール上でワンクリックなので、ワークフローを低下させること無く使用できています。PreciseCardiacを導入してから低心拍より高心拍症例の方が画像がキレイでは?と思う症例もあるほどです。
また、Precise Cardiac導入後でβブロッカーを使用しない症例が増加しています。現状では、90%近い症例でβブロッカーを使用せずに心臓CTを行っています。心臓CTは他施設もそうだと思いますが、通常のCT検査より検査枠の時間を多くとる検査です。
βブロッカーを使用しないことで、点滴から薬剤を入れる時間が省略され検査時間が短縮しています。Precise Cardiacは、画質だけでなく検査時間の短縮といったところでも重宝しています。」
小林技師「以前使用していたBrilliance 64と同様に、Incisive CTにおいてもシンプルな操作性といったところは、新人教育やさまざまな技師が携わる検査として有難いところです。また、画像再構成時間が早いということもIncisive CT導入における大きなメリットです。当院では、さまざまな検査部位に対して、Axial画像だけでなくCoronal、SagittalなどのMPR画像を診療科に提供しています。MPR画像にはThin Slice画像が必須です。おのずと以前に比べ再構成画像の枚数は増えています。Incisive CTでは、画像再構成が非常に速く、MPR画像の提供時間が早くなりました。」
西野技師長「府中病院は、大阪府がん診療拠点病院の認定を受けており、がんの患者さんが多く通院されています。がんの患者さんは術前評価、術後や治療後のフォローアップなど複数回CT撮影をされます。その中でIncisiveに搭載されているAIを使ったPrecise Imageを使用することで、これまで以上に被ばく低減によって低侵襲な検査ができています。これは府中病院の基本理念の一つである“より質の高い安全で安心な医療の提供” といったところで貢献しています。」
3D作成のワークフローは向上しています
和田技師「Precise Imageは、大幅にノイズを低減することで低被ばく、低造影剤、また1mmや2mmといった薄いスライスでの読影も可能となっています。更にワークフローの観点でお話しさせて頂くと、3D画像の作成が楽になりました。特に末梢血管の分離が凄く楽になっています。ノイズ低減効果で末梢血管の視認性が向上しています。末梢血管の視認性が向上することで、ワークステーションにおける自動認識も向上し、3D作成のワークフローは向上しています。また、Precise Imageでは、ノイズが低減されることでNarrow Windowでもしっかりとした画像診断が可能となります。特に、頭部領域においてはより白質と灰白質のコントラストの向上した画像を観察することができています。更に、Precise Imageの画像再構成には驚きました。AI画像再構成を導入する上での懸念事項の1つは画像再構成速度でした。AIの画像再構成は遅くてルーチン検査では中々使用するのは難しいのでは?と思っていました。しかしPrecise Imageは画像再構成速度が速く、ルーチン検査で画像再構成時間にストレスを感じたことはありません。
Incisive CT – 府中病院 導入事例