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2 01, 2019

ニッポンを“健康寿命先進国”にする
フィリップスの新たな挑戦

ページを読む時間の目安: 3-5 分

フィリップスが見つめるのは“健康寿命先進国”としての日本の未来。その出発点となるのはフィリップスが進める地域の健康課題解決型ソリューションです。全国各地で広がる「ヘルステックコンソーシアム」の挑戦とは?

【フィリップス×自治体×企業】で日本の未来を変えよう

ヘルステックカンパニーを標榜するフィリップスでは、地域の健康課題に着目し、【フィリップス×自治体×企業】が協同で課題解決を進めるヘルステックコンソーシアム(協動体)を全国各地でスタートしています。その活動の中心となるソリューション事業推進部の川嶋孝宣に、ヴィジョンを聞きました。

 

「日本人の平均寿命は81歳、女性は87歳と過去最高を更新しました。その一方で、健康寿命と平均寿命の差は約10年に及び、その差は縮まっていません。健康寿命とは自立した生活が送れる期間のこと。衣食住に介助を必要としたり、寝たきりになると、ご本人もご家族も負担ははかりしれません。また、介護費用が医療費を大きく圧迫している問題もあります。私たちは、これからの日本を、長生きしながら健康を享受できる“健康長寿社会”に変えていきたいと考えているのです」

 

平均寿命と健康寿命の差をできるかぎり縮めていく、それが日本の医療・健康の課題なのですね。

 

「そう、日本全体の課題です。ところが、医療・健康の課題は地域によって必ずしも同じではありません。都道府県ごとの平均寿命を見ても差がありますし、生活習慣病の発症率やBMIや喫煙の割合も違います。ここに切り込んでいかないことには現状は変わらないでしょう。そこで、フィリップスは各地域の自治体や地元企業と連携して、地域密着型・地域健康課題解決型のヘルステックコンソーシアムを日本各地で展開していく活動を2018年からスタートしました」

 

【フィリップス×自治体×地元企業】のコラボレーションが始まっているのですね。しかし、なぜ、フィリップスがこのような活動を呼びかけているのでしょうか。

 

「それは私たちフィリップスが、健康、予防から診断・治療、ホームケアまでの一連のヘルスケアプロセスに関わるソリューションを幅広く手がける稀有な企業だからです。ソニッケアー(電動歯ブラシ)やシェーバーといったパーソナルヘルス製品、ノンフライヤーやマルチチョッパーなどのヘルシー調理家電を提供しています。さらに、病院のMRI、CT、在宅酸素療法や睡眠時無呼吸症候群の分野でも私たちの製品、ソリューションが広く使われています。

 

今、ヘルスケア機器の分野ではIoT、IoH化が急速に進んでいます。ヘルスケア機器で生活習慣をモニタリングして、病院の診断結果と結びつけることもいずれ可能になる時代です。そのデータを使って、自治体と連携したら?あるいは、生活習慣改善のために、食や運動、介護などを担う地元企業と連携したら? 【フィリップス×自治体×地元企業】の連携から、地域の人の健康づくりに役立ち、自治体は医療費を抑えられて、地元企業も活性化するしくみが生まれます。その枠組みを提供していくのが、フィリップスのヘルステックコンソーシアムなのです」

長生きしながら健康を享受できる健康長寿社会

全国各地で健康課題解決型ソリューションが誕生する

私たちが住む町にも、ヘルステックコンソーシアムのような健康づくりと地元企業の活性化を同時に実現するようなしくみがあれば、地域の可能性がどんどん広がっていきそうです。

 

「すでに私たちはヘルステックコンソーシアムの取り組みをスタートしています。例えば山梨県では、2018年の6〜8月にかけて健康課題に意識の高い自治体や有志企業が集まり、地域の健康課題を協議しました。山梨県は平均寿命が全国1位で、いわば“健康優良県”。しかし、フタを開けてみると『健康診断の受診率が低い』『飲酒率が高い』『食塩摂取量が多い』『運動しない』などの問題があがりました。健康診断の受診率では『女性の受診率が低い』『診断結果を生かせていない』などの声が目立ちました。自営業や専業主婦の方は受診率が低くなりがちで、いかに健康診断に来てもらうかが課題です。

 

飲酒率の高さについては、山梨には無尽(むじん)という文化があります。職場や地域の仲間で月1回などのペースで集まって食事をしたり、お酒を飲んだりするのですが、山梨県は昔から住民同士のつながりが強く、このような独特の習慣が飲酒率を上げているのかもしれません。

 

また、運動実施率は全国最下位で『車社会で体を動かさない』『運動施設が少ない』との声が目立ちました。その代わり、人口に対する図書館の割合はなんと全国1位。イエール大学の研究では『本を読む人は寿命が2年近く長い』との結果も出ているそうで、あるいは図書館などに出かける外出習慣がよいのか、こういったことが山梨県の平均寿命の長さと因果関係があるかもしれない、など協議の中で課題だけでなく想定される原因なども意見がでました」

 

健康課題に、地域ならではの文化や習慣が色濃く現れているんですね。

 

「地域の抱える課題は、単にデータを見るだけでなく、実際に地域に入り込まないと見えてこないと実感しました。今後のテーマとして『健康診断受診率の向上』『地元の健康食材の活用』『健康経営』など協働プランが持ち上がっていて、これから市町村や地元企業の方々と共に取り組んでいければと思います」

 

「こうした取り組みは、全国各地で進めていく予定です。例えば、宮城県では、県とフィリップスが連携して、集合住宅など既存資源を活用した介護機能の拠点をつくっていきます。要介護度の進んだ高齢者が、住み慣れた自宅にいながらにして介護サービスを受けることができ、買い物や医療などの複数サービスを1カ所で受けられるようにしていくシステムづくりです。その他の複数の自治体でも現在具体的なテーマをもとにした協議を進めています。

健康課題は地域ごとに違えど、共通する部分も多くあります。他の地域に展開できる事例が増えていけば、ヘルステックコンソーシアムの活動が、日本全体が抱える健康課題を大きく解決できる可能性もあるのです」

地域の健康課題解決型ソリューション

フィリップス・ジャパンが推進する“健康寿命先進国・日本”

地域ごとに生まれたフィリップス発の健康課題解決型のソリューションが、やがて全国に広がっていくのですね。

 

「ぜひ期待してください。私たちはグローバル企業ですから、ゆくゆくは日本から世界に向けて、創出したソリューションを発信していきたいと考えています。世界有数の長寿国として知られる日本は健康先進国であり、健康“課題”先進国でもあります。先進国の多くは日本に続いて次々と超高齢化社会に突入していきます。日本で生まれる地域に根ざした健康課題解決型ソリューションは世界が必要としているのです。

 

健康課題解決型ソリューションを生み出していくには、既存の治療やケア、健康習慣にとらわれない、新たな知見も必要です。私たちは、介護や医療を進化させるべく、地元企業や研究機関など様々なパートナーと連携してソリューションを創出する『Philips Co-Creation Center』の設立を宮城県、仙台市の支援のもとで進めており、2019年5月にオープン予定です。

東北大学とは、ICTを活用して、運動や睡眠、食事、口腔ケアなどの健康習慣を促進するための「行動変容」に着目した共同研究に着手しています。また、名古屋大学とは、ホームケアで医療の裾野を広げていく取り組みを進めています。国立循環器病研究センターとは、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを予測し、適切なタイミングで予防・治療することを目的とした『ヘルスケアAI/Analytics』の共同研究を始めています」

 

私たちの未来を変える取り組みが、フィリップスのもとで着々と進んでいるのですね。その中心にいるフィリップスが果たす役割とは?

 

「さまざまな機関をつなげる役割を果たし、成果を“事業化”していくことです。私は前職で、東日本大震災の復興プロジェクトの事業を立ち上げ活動していた時期があります。支援、ボランティアに終わらせず、被災地から得た教訓をビジネスとして確立することを目標として自治体や他の企業の方々と一緒に活動していました。ビジネスとして確立することで、地域に雇用も生まれ、経済が回り持続可能なシステムになります。健康に関するソリューションも同じです。より多くの人に継続的にサービスを提供しようとしたら、ビジネスとして確立することが、地域に根づかせる最善の方法なのです」

 

目指すのは、事業活動を通じて社会的な課題を解決していくCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)を実現していくこと。目標として「2025年までに年間30億人の人々の生活を向上させる」ことを掲げています。

 

フィリップスが手がける健康先進国・日本発の健康課題解決型ソリューション。それは私たちのこれからの生活や健康のみならず、世界の未来に大きなインパクトを与える可能性を秘めているのです。(取材・文/麻生泰子)

 

<プロフィール>

川嶋孝宣

フィリップス・ジャパン ヘルステックソリューションズ ソリューション事業推進部長

 

帝人株式会社、新日本監査法人、日本IBMにて研究・臨床開発・営業・マーケティング・新規事業・コンサルティングを経験し、2017年11月より現職。東日本大震災時には震災復興プロジェクトを立ち上げ、社会が必要とするニーズを掘り起こし、ニーズを起点に事業化していく手腕が社内外で高く評価されている

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