 アントンは優れたセールススタッフであるとともに、経営者としても類まれな手腕を発揮、とりわけ、人心掌握術の巧みさは誰もが認めるところだったと言われています。
アントンは社員の職務怠慢は厳しく叱責したが、普段は、誰に対しても分け隔てのない気さくな態度で接した。そして部下の声には真剣に耳を傾けたため、誰もが自由に発言できる風通しの良い風土が根付きました。
仕事だけでなく私生活も大切にしたアントンは、社員にも「技術者は人間らしい暮らしを営んでなければならない」と話し、仕事以外のアドバイスにも積極的だった。そんなアントンの方針からフィリップスではいち早く年金制度や
保養施設を充実させて、他の大企業の模範となりました。
いかにアントンが社員から慕われていたかを示すのが1948年の結婚50周年記念パーティーでのエピソードです。社員は自由参加であったにもかかわらず、なんと2万人の社員のうち1万8000人が参加してアントン夫妻を祝福したと言われています。
そのように社員を家族のように大切にする精神性は、フィリップスの創成期から今日に至るまで引き継がれています。
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