フィリップスのLED、新アムステルダム国立美術館の名作を照らしだす


レンブラントの『夜警』やフェルメールの『牛乳を注ぐ女』など7,500点

4月 12, 2013

※この報道用資料は、2013年4月3日にオランダ アムステルダムで発表されたプレスインフォメーションの抄訳・加筆版です。

 

オランダ、アムステルダム ― ロイヤル フィリップス エレクトロニクス(NYSE: PHG, AEX: PHIA)は、改装されたアムステルダム国立美術館とその全ての展示品の照明に、フィリップスのLED照明が採用されたことを発表しました。フィリップスは今回の改装プロジェクトの主要パートナーであり、同美術館とともに、来館者のより良い鑑賞体験の提供と美術品の保存を考慮した照明設計を目指してきました。改装された美術館は現地時間の2013年4月13日(金)にオープンし、オランダの巨匠であるレンブラントの『夜警』やフェルメールの『牛乳を注ぐ女』など、館内の全ての作品がフィリップスのLEDで照らし出されます。

 

フィリップスのLED照明ソリューションは、自然光に近い演色性と視覚コントラストの効果を生み出すため、作品を最良の状態で展示し、来館者の鑑賞体験を高めます。アムステルダム国立美術館は床面積が9500平方メートルを超え、7500点の作品を収蔵しており、LED照明による世界最大の展示空間となります。さらに、美術館内のショップ、アトリウム、レストラン、屋外スペース、ファサードなどにもフィリップスのLEDが採用されました。
 
フィリップスは、新アムステルダム国立美術館の照明を開発し、設置から最終的な調整までを行いました。美術館スタッフ、美術館の設計担当Wilmotte & Associés社およびCruz y Ortiz社と協働して内装照明を設計し、美術館所有者であるオランダ政府とも協力して屋外照明を手がけました。

 

来館者のより良い鑑賞体験と作品の保存を最優先
照明は作品の見え方に影響し、作品の細部まで表現する上で重要な役割を果たします。各作品の照明は個別に調整され、作品ごとの特長を引き出すとともに、来館者により良い鑑賞体験を提供できるような照明を目指しました。
アムステルダム国立美術館の展示責任者Tim Zeedijk氏は、LED照明を選択した理由を次のように語っています。「私たちは常に2つのことを考えてきました。それは来館者の鑑賞体験と美術作品の保存です。LED照明を選択したのは、光の質が良く、演色性も高く昼光にとても近いからです。これにより作品を最も良い照明で見ることができ、画家が描き出そうとした色合いや細部を全て再現することが可能となります。特にLED照明では絵画の視覚コントラストとレリーフが引き立ちます。彫刻の照明や、厚塗りの絵画についても同様です。例えばレンブラントの作品は、LED照明の方が細部まで鑑賞できます。
また、新世代LED照明の長所として、熱線がほとんどなく、展示物に有害な紫外線を放出しないという点があります。そのため、作品がより良い環境で保存されます。さらに、LEDは寿命が長く、美術館で一般に採用されているハロゲン照明ほどメンテナンスを必要としません。
学芸員にとっては使いやすさも重要です。フィリップス社提供のソリューションによって、個々の照明器具をiPadで調光できます。規模の大きい当美術館では、このようなソリューションが不可欠です」。
 
フィリップスのLEDソリューションは、美術作品にとって安全で国際的な保存基準に適合した均一な光を放ちます。白色は、緑/青色系、赤/黄色系にかかわらず作品の細部にわたって色を再現し、「高精細」画像を見ているかのようです。
 
世界最高レベルの美術館照明ソリューション
新たなLED照明が、中世にさかのぼる数々の作品を照らし出します。数世紀にまたがる7,500点もの作品をLEDが照らします。フィリップスの照明ソリューションには75万個のLEDが使われており、そのうち3,800個はスポットライトです。またLEDによる天井照明は1.8キロメートルに及びますが、高度なLED照明制御システムでコントロールでき、美術館スタッフはモバイルアプリケーションによる操作が可能です。

 

アムステルダム国立美術館へのLED照明導入の様子はこちらからご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=1BNLhIGqTGw
http://www.youtube.com/watch?v=CyLZH3HOkgw&feature=player_embedded

 

 

 

参考資料1:プロジェクトについて


世界中の美術館が陥っているジレンマ。それは、美術作品をできるだけよい照明で展示する必要がある一方、美術作品を後世のために保存することです。そのため、美術館照明が果たす役割は重要で、作品の見え方、来館者の満足度に影響します。同時に、照明は厳格な展示・保存基準を満たさなければならず、美術館照明ならではの課題があります。

 

「新アムステルダム国立美術館」の照明設計への共同プロジェクト
作品鑑賞用の「理想的な照明」の定義は主観的なものであり、LED照明技術は、その柔軟性と汎用性ゆえに無数の選択肢があるため、望ましい成果を提示できる複数の専門家が議論を重ねて要望を形にする必要があります。アムステルダム国立美術館の照明は世界中の様々な専門家の協力によって実現しました。


• アムステルダム国立美術館には世界的に優れた美術専門家がいます。個々の作品について、また来館者が望む鑑賞体験について、学芸員の知見は貴重なものでした。
• スペイン・セビリアの大手建築事務所Cruz y Ortiz社が、美術館の改装全般を請け負いました。
• 美術館の建物自体の歴史的価値を考慮して、復元建築はオランダ・ハーグのVan Hoogevest Architecten社に委託されました。
• 国際的な設計・コンサルティング会社Arup社が「新アムステルダム国立美術館」の照明を設計しました。その中心になったのは、2003年から2010年まで同社の照明設計担当ディレクター兼グローバルリーダーを務めたRogier van der Heideです。
• フランス・パリのWilmotte & Associés社が内装の設計を担当し、Rogier van der Heideと共同で「Light Racks」(美術館照明器具システム)を設計しました。
• オランダ政府建築局が建物の所有者として、美術館改装の管理運営にあたりました。
• オランダ・ロッテルダムの照明設計会社Beers Nielsen社が現場で照明設計の最終仕上げを担当しました。
• フィリップスは、2010年からフィリップス ライティングの最高設計責任者を務めるRogier van der Heideを含む照明の専門家と「アイコニック プロジェクトチーム」を立ち上げ、この美術館プロジェクトに当初から参画しました。

 

フィリップスとアムステルダム国立美術館は、最良の成果を生み出すためにこれらのプロジェクトパートナーと協働して知識やノウハウを出し合いました。具体的には、フィリップスが学芸員から出された美術品展示要件を考慮した上で、その照明知識を活かして最もインパクトのある照明効果や雰囲気作りについて助言し、そうした提案を内装設計者や建築会社などその他のパートナーの計画に合わせて調整し、「新アムステルダム国立美術館」のビジョンの実現に貢献しました。
また、Wilmotte & Associés社とArup社が設計した特徴的な「Light Racks」(美術館照明器具システム)の開発も手がけました。フィリップスは「Light Racks」を詳細に設計し、製作、設置を担当しました。その過程で、美術館の具体的な要件に合わせて照明ソリューションをカスタマイズする技術的ノウハウを駆使し、デザイン性を高めました。

 

フィリップスのLED照明で「高精細」な演出性を実現
2011年、アムステルダム国立美術館とフィリップスは、レンブラントの『夜警』の照明についてパートナーシップ契約を結びました。『夜警』は世界で最も有名な絵画の一つであり、同美術館を代表する作品です。フィリップスと同美術館はこの機会を、名作絵画をLED技術で照らすための試作品を試す足がかりにしました。『夜警』のLED照射が実現した後、フィリップスと同美術館は提携関係を継続し、館内の全ての展示照明にLEDを採用しました。

 

これまで、美術館内の照明にはハロゲンランプが使われてきました。白熱照明では赤色と暖色が引き立ちますが、多くの場合、青色と緑色の演出性が低下します。美術作品は褐色味を帯びてしまい、多彩な色使いが表現されません。美術品保存のための照度基準に合わせてハロゲンランプの照度を落とすと、作品はいっそう褐色味を帯びることになります。「新アムステルダム国立美術館」では、具体的な選択肢の一つとして、色温度をやや高めて白色に近づけ、従来の美術館照明に特徴的な褐色味を除去しました。色温度は白色照明が電球色、白色、あるいは昼白色に見えるかを示すもので、絵画が鑑賞者にどう見えるかに影響します。

 

同美術館に採用されたフィリップスの最新のLED照明には二つの特長があります。一つは、LEDによってこれまで以上にバランスのとれた光スペクトルが得られることで、優れたLED照明では、赤色や黄色に求められる暖かみが保たれるのと同時に、青色や緑色も同様に演出できます。もう一つは、LEDは明るさを落としても色味が変わらず、館内全体で調和のとれた作品展示が可能となります。


高品質の照明は見える色の範囲を広げ、「高精細度」画像を見ているような効果を生み出します。

 

トータル照明ソリューション
アムステルダム国立美術館は、建築上多彩な特徴を持つ大規模な施設です。所蔵作品は7,500点を超え、展示面積は9500平方メートルに及びます。この大規模プロジェクトでは、50万個近いLEDを館内の照明に使い、1.8キロメートルに及ぶLEDアッパー間接照明が導入され、同美術館の213年の歴史上、最大の改装プロジェクトになりました。

 

照明はどの来館者にも同じ鑑賞体験 を提供すると同時に、それぞれの作品の良さを引き出す役割があります。そのため、各作品の照明は個別に調整されるだけでなく、来館者に最良の鑑賞体験 を提供できるような工夫が必要でした。
そこで、展示品の照明ソリューションとして、フィリップスはLEDを最新の照明制御システムと組み合わせ、美術館全体の照明を、使いやすいウェブ・インターフェースでコントロールできるようにしました。これにより、美術館スタッフが個々の作品の照明レベルを設定・調整して、館内の全ての作品についてバランスを図ることができます。

 

顧客サービスの視点に立ったフィリップスのターンキー・ソリューション は、『夜警』を新館の最終展示場所に移動させる際にも提供されました。 照明設計の仕上げ、特別にデザインした「Light Racks」の製作、設置、あらゆる付属品の取り付け、システム委託、最終チェック・調整を含め、フィリップスはトータル・ソリューションを同美術館に提供しています。フィリップスはこのような価値を生み出すためにあらゆるステークホルダーと協力し、完璧なサービスの提供に努めています。

 

 

参考資料2:技術ファクトシート


照明のカスタム化
内装設計会社Wilmotte & Associés社は、国際的な設計・コンサルティング会社Arup社と共同で、全展示室に設置された「Light Racks」(美術館照明器具システム)を開発しました。フィリップスはこの「Light Racks」の照明設計、製作、設置を、次のような過程を経て完成させました。

 

• 「Light Racks」をスマートかつシンプルなハードウエア設計にするために、フィリップスのLED照明器具「StyliD」をカスタマイズして、アムステルダム国立美術館が求める条件に対応しました 。磁気を利用したモノポイント接続「Light Racks」の採用により、見た目が悪い従来の照明トラックを使う必要がなくなりました。このモノポイント接続は、ドライバを照明器具上部ユニットに取り付けることも可能となり、照明器具のサイズを大幅に縮小することができました。

• 3,800個の「StyliD」は、フィリップス ルミレッズ製「LUXEON S LED」を内蔵した、フィリップスのLEDモジュール「Fortimo LED Spotlight Module Tight Beam」を採用しています。同美術館で使われた全てのスポットライトの主なオプティック(チップ)やLED構造は同じです。様々な照射角度により個々の作品の特長を引き出せるよう、フィリップスは正確な照射角度を実現でき、高い出力レベルを保てる高性能光拡散レンズを採用しました。一般的な配光角は5°あるいは10°ですが、フィリップスの高性能光拡散レンズを採用することで5° x 30°の非対称照射も可能です。

• 「Light Racks」には、アッパー間接照明用として1.8キロメートルに及ぶ「Fortimo LED Strip」が取り付けられました。LED Strip照明のメリットは、つなぎ合わせれば様々なタイプの展示室の天井を照らすシームレスな照明が可能な点です。アッパーライトによって壁にできるはっきりした影のラインを、照明設計会社Beers Nielsenが特別に開発した拡散デバイスで和らげました。

 

より質の高い光
個々の作品の良さを引き出すことも照明に求められる役割です。フィリップスは、アムステルダム国立美術館およびその他のプロジェクト・パートナーと照明の基本的知識・情報を共有してプロジェクトを成功に導き 、来館者の鑑賞体験 を高める照明の実現を目指しました。

 

• 色温度3000K(電球色)の「LUXEON S LED」を使用すると、来館者の鑑賞体験を高める効果があります。色温度3000K、演色評価数(CRI) 95であれば、「LUXEON S LED」の
スペクトルバランスによって望ましい暖かみが保たれ、ピンク、赤、オークル、黄が鮮明に表現されると同時に、緑と青も同等に引き立ちます。

• フィリップスの「Fortimo LED Spotlight Module Tight Beam」と「LUXEON S LED」の組み合わせには、発光面が小さいというメリットもあります。これにより、リフレクターをコンパクトにし器具全体のサイズを最小限に抑え、小型の発光面を狭角(10°未満)にすることが可能となります。さらに、均一でシャープな照射ができ、従来のLED照明にありがちなマルチシャドウを防ぎ、作品のテクスチャーと輝きを増すことができます。

• 光源によるグレアを最小限に抑えることも欠かせない条件でした。フィリップスの「StyliD」によってこれを実現するために、「PAR 36」や「AR 111」など従来の照明器具に使われてきたシールドに似た特別な内部グレアシールドが開発されました。これによって周辺への余計な光がなくなり、光源によるグレアが減りました。その結果、ハニカムルーバーやグレア抑制のための大型フード(スヌード)等の必要性が減りました。

 

シンプルな制御
フィリップスはデジタル光源としてのLEDの柔軟性を生かし、最新の照明制御システムと組み合わせて、館内の照明を使いやすいウェブ・インターフェースでコントロールできるようにしました。美術館スタッフが個々の作品の照明レベルを調節して、館内の全ての作品に対して適切なバランスを図ることができます。
特別なウェブアクセス型の制御インターフェースを備えたフィリップスの「Dynalite DALIシステム」で全ての展示照明がコントロールされます。このシステムのWi-FiブリッジにiPadをつなげば、ポータブルなタッチスクリーン制御が可能となります。フィリップスの「DALI制御Xitaniumドライバ」を用いることで、実質的な調光制御レベルは10%となり、減光 ガラスレンズを採用すれば、特別な作品数点を除く全ての作品について十分な調光ができます。LED光源の長期的なルーメン劣化に対しても、一定の光出力を提供するDALI制御システムを用いることで対応しました。

 

Zhaga準拠で長期対応
LEDは寿命が長く、メンテナンスは大きな問題ではないと一般に理解されていますが、フィリップスは、美術館運営者に対して現実的な長期メンテナンスに関する研修を行いました。修理が可能かどうか、予想故障率、部品の長期的入手可能性など一般的なメンテナンス問題を考えると、それらに対応できる取り組みが必要でした。そのため、フィリップスはZhaga標準に準拠したLEDモジュールを選択しました。これにはスポットライト用に「Fortimo LED Spotlight Module Tight Beam」とアッパー間接照明用に「Fortimo LED Strip」が含まれます。Zhaga標準に準拠したモジュールを採用することでメンテナンス面は安心です。美術館としては将来的に照明装置の修理あるいはアップグレードが可能となります。

日本におけるフィリップスについて

株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、1953年に日本電子開発株式会社としてフィリップス製品の日本市場への輸入を開始し、いくつかの企業統合や社名変更等を経て2005年に社名を株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンに変更しました。現在は、ヘルスケア、ライティング、コンシューマーライフスタイル等の事業部から構成されています。2008年には、呼吸器、睡眠治療器などを扱うフジ・レスピロニクス株式会社を傘下に入れ、同社は2010年に社名をフィリップス・レスピロニクス合同会社としました。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、フィリップス・レスピロニクス合同会社と合わせて約1,700名の従業員を擁し、全国約80ヵ所に事業所を展開しています。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンの詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.co.jp).

ロイヤル フィリップス エレクトロニクスについて

ロイヤル フィリップス エレクトロニクス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の生活の向上を目指して常に革新的であり続け、ヘルスケア、コンシューマーライフスタイル、ライティング分野において健やかで満ち足りた暮らしを提供する企業です。本社はオランダで、2012年の売上は248億ユーロ、世界100ヵ国以上に約118,000人の従業員を擁しています。循環器疾患ケアや急性期疾患の診断治療とホームヘルスケア、省エネ照明ソリューション、新たな照明アプリケーション、および男性用シェーバーやグルーミング、オーラルヘルスケアにおいてリーダーシップを発揮しています。ニュースリリースについてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/

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本件に関するお問い合わせ

 株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン 広報部 03-3740-3608

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