フィリップス・レスピロニクス、携帯型睡眠評価装置の新機種「ウォッチパット」を発売


在宅においても質の高い睡眠時無呼吸の検査を可能に

4月 1, 2014

 フィリップス・レスピロニクス合同会社(本社: 東京都港区、職務執行者社長:ダニー・リスバーグ、以下 フィリップス)は、本日4月1日より、睡眠評価装置である「ウォッチパット」(Itamar Medical 社製:イスラエル)の販売を開始することを発表しました。

 

          


 睡眠時無呼吸症候群の潜在的な患者さんは、日本国内に約300万人いると報告されています*1。これらの睡眠時無呼吸症候群の患者さんが治療を受けるためには、睡眠評価装置を用いた睡眠中の検査による確定診断が必要となります。

 

 現在、国内では3種類の睡眠検査方法が診療報酬で算定できます。
 1つ目は、脳波、筋電図、心電図、呼吸用のセンサ、および血中の酸素飽和度センサなど、生体信号を検出するセンサを全身約20ヵ所以上に装着して行う終夜睡眠ポリグラフィ(polysomnography:PSG)と呼ばれる精密検査で、睡眠中の睡眠状態、呼吸状態などを連続的に記録します。この検査方法はセンサの装着部位が多く、患者さんへの行動制限や負担は大きくなります。また入院して高度な手技による検査を受ける必要があるため、国内で本検査を実施できる医療機関は限られています。
 一方、2つ目、3つ目の検査方法である、呼吸用のセンサ、および血中の酸素飽和度センサを用いる携帯型睡眠評価装置や、圧力センサおよび血中の酸素飽和度センサを用いる多点感圧睡眠評価装置は、高度な手技を必要とせず院内および在宅での検査が可能です。その半面、精密検査のPSGに比べ、睡眠状態を正確に評価できないため、睡眠時無呼吸症候群の程度を過小評価する可能性があります。

 

 この度、フィリップスは、従来の呼吸用のセンサや圧力センサを用いず、指先の末梢動脈波を精度良く測定することで睡眠検査を可能とした携帯型睡眠評価装置「ウォッチパット」を国内で販売開始いたします。「ウォッチパット」は末梢動脈波を検出する①PAT (Peripheral Artery Tonometry:末梢動脈波測定法)プローブに加え、血中の酸素飽和度を検出する②オキシメータセンサ、および③いびき・体位センサ(一体型)を患者さんに装着いただき、得られたデータをパーソナルコンピュータ上の専用ソフトウェア(本体付属)で複合的に解析処理を行います。これにより、従来の携帯型睡眠評価装置で測定する1時間当たりの無呼吸低呼吸指数に加え、覚醒・睡眠 (軽睡眠・深睡眠・REM睡眠) 段階の情報を同時に測定できます。携帯性・装着性にも優れ、院内のみならず在宅での検査も可能です。
 

 「ウォッチパット」の希望販売価格は78万円 (税抜)、レンタル料金は月額2万2000円 (税抜)で、全国の医療機関に対して販売・レンタルする予定です。

 

 

「ウォッチパット」の概要と特長

 


携帯型睡眠評価装置「ウォッチパット」は、上記の3つのセンサを装着し、終夜検査を行います。各センサの信号は本体内部のデータメモリに記録され、専用の解析ソフトウェア(本体付属)がインストールされたパーソナルコンピュータに「ウォッチパット」本体をUSBケーブルで接続しダウンロードを行うことができます。専用の解析ソフトウェアでは、無呼吸低呼吸指数に加え、覚醒・睡眠(軽睡眠・深睡眠・REM睡眠)、いびきの有無、体位別(上向き・横向き)の無呼吸低呼吸指数、血中の酸素飽和度の状態、および心拍数等のパラメーターが表示・レポート化され、医師の診断に必要な情報が提供されます。

 

1.  機器の取扱・装着が簡単で場所を問わず(院内・自宅)高い精度の検査が可能
3つのセンサは患者さん自身でも簡単に装着でき、検査を実施する場所に制限はなく、自宅でも院内と変わらない高い精度の検査を可能とします。これにより、慣れた睡眠の環境で検査が可能なため、精神的、経済的な負担を低減できます。

 

2.  PATプローブを含めた3つのセンサにより無呼吸低呼吸指数・睡眠段階の評価が可能
PATプローブは、無呼吸低呼吸に連動して発生する覚醒反応を末梢動脈波で検出し、酸素飽和度や脈拍数などの情報と複合的に分析を行い、無呼吸低呼吸指数を算出します。また、睡眠段階においても、PATプローブから検出された末梢動脈波の振幅増減や周波数成分の変化を、本体に内蔵されているアクチグラフの信号と合わせて複合的に解析します。
末梢動脈波という小さな生体信号を高い精度で的確に検出するPATプローブと、独自に開発された新しい解析技術により、睡眠時無呼吸症候群の診断に必要な無呼吸低呼吸指数および睡眠段階の情報を、医師に提供することが可能となります。

 

 


<参考資料>

 

【睡眠時無呼吸症候群について】
 睡眠中に異常な呼吸を示し、それに伴い身体、または日中の活動に支障を来す病態の総称を「睡眠呼吸障害(以下SDB:Sleep-Disordered Breathing)」と呼びます。 「24時間社会」と呼ばれる今日、睡眠に対する慢性的な問題を持っている現代人は増え続け、日本を含めた数カ国のデータではSDBの割合は男性の2割、女性の1割程度存在するといわれ*2、単純によく眠れたか、眠れないかの問題に留まらないことが最近明らかになってきています。
 SDBの代表的な疾患が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive sleep apnea syndrome: 以下OSAS)であり、OSASは上気道の閉塞が原因で、睡眠中に繰返し呼吸停止を起こし、著しい動脈血酸素飽和度の低下、動脈血二酸化炭素分圧の上昇、頻回の中途覚醒反応を生じます。これらにより、高血圧、不整脈、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病、突然死といった、病的な疾患を合併するリスクが高まると報告されています。また、頻回に発生する無呼吸により中途覚醒がおこり日中の過度の眠気や集中力の低下が生じ、交通事故や労働災害などを来す原因となります。OSAS患者さんは循環器疾患にかかる医薬品使用料が1.7~1.9倍*3、また不眠・OSASを含めた睡眠障害が原因による年間の経済損失は3.4兆円*4と報告されています。

 


 

 OSASの主な症状は、いびき、日中の過度の眠け、日中の倦怠感、性格変化・仰うつ状態、夜間頻尿及びED(erectile dysfunction:インポテンツ)等があげられ、海外における長期予後報告においても、1時間当たりの睡眠時無呼吸低呼吸の数値が15-30回を超えると、健常人に比べ生存率の低下や致死的な心疾患イベント発症率の増加が報告されています*5-6
 今後、日本国民の食生活の欧米化に伴い、肥満傾向は更に強まりOSAS患者さん数の増加も予測されます。しかし、約8割が未診断・未治療であるため、早期診断・早期治療を行う必要性が高まっています。

 

 

*1 粥川裕平 et al:治療学 1996;30:55-58,
*2 株式会社ライフ・サイエンス発行「睡眠呼吸障害Update 2011」より
*3 Otake K, et al, Thorax 2002;57:417–422
*4 日本経済新聞(朝刊)(日本大学医学部 内山 真)2006年6月8日
*5 Marin JM, et al. Lancet 2005;365:1046-1053
*6 Marshall NS, et al. Sleep 2008;1079-1085

 

 

フィリップス・レスピロニクス合同会社について

フィリップス・レスピロニクス合同会社はハイテクME機器の開発及び輸入会社として1984年に創業しました。その後は呼吸医療と睡眠医療の専門企業として、高性能人工呼吸器やCPAP装置、そしてそれらの関連機器の輸入から供給まで一貫したサービスの提供に努めております。
フィリップス・レスピロニクス合同会社の詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.respironics.philips.co.jp/

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日本におけるフィリップスについて

株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、1953年に日本電子開発株式会社としてフィリップス製品の日本市場への輸入を開始し、いくつかの企業統合や社名変更等を経て2005年に社名を株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンに変更しました。現在は、ヘルスケア、ライティング、コンシューマーライフスタイル等の事業部から構成されています。2008年には、呼吸器、睡眠治療器などを扱うフジ・レスピロニクス株式会社を傘下に入れ、同社は2010年に社名をフィリップス・レスピロニクス合同会社としました。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、フィリップス・レスピロニクス合同会社と合わせて約1,700名の従業員を擁し、全国約80ヵ所に事業所を展開しています。株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンの詳細につきましてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.co.jp

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ロイヤル フィリップスについて

ロイヤル フィリップス(NYSE:PHG, AEX:PHI)は、人々の生活の向上を目指して常に革新的であり続け、ヘルスケア、コンシューマーライフスタイル、ライティング分野において健やかで満ち足りた暮らしを提供する企業です。本社はオランダで、2013年の売上は233億ユーロ、世界100ヵ国以上に約115,000人の従業員を擁しています。循環器疾患ケアや急性期疾患の診断治療とホームヘルスケア、省エネ照明ソリューション、新たな照明アプリケーション、および男性用シェーバーやグルーミング、オーラルヘルスケアにおいてリーダーシップを発揮しています。ニュースリリースについてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/

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Itamar Medical社について

Itamar Medical Ltd.(本社:イスラエル・カイザリア、テルアビブ証券取引所上場(ITMR))は、1997年に設立された医療機器メーカーです。循環器系および自律神経系への非侵襲的な“Window”となるPAT® (Peripheral Arterial Tone) シグナル技術を搭載した診断機器を開発および販売しています。
同社のWatchPAT ® は、革新的な技術により睡眠時無呼吸症を正確にスクリーニング、検出、評価する医療グレードのポータブル診断機器です。同社のもうひとつの主力製品であるEndoPAT®は、現在の血管内皮機能および心臓全般の健康状態に関する有用な情報を提供する非侵襲的な血管内皮機能検査機器です。

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将来予想に関する記述について

このプレスリリースにはフィリップスの将来の業績、財務状況、事業活動の結果や事業計画に関する「将来予想に関する記述」が含まれています。「将来予想に関する記述」はその性質上、将来起こりうる様々な事象や状況の変化によってもたらされるリスクや不確実性を伴うものであり、それにより、「将来予想に関する記述」で述べた内容や暗示した記述と実際の結果や事象は実質的に異なる可能性を含んでいます。

 

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株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン ブランド コミュニケーション部 TEL: 03-3740-4551
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